寒気は危険なサイン?熱中症で寒気の症状が出たときの対処法
熱中症は高温多湿な環境で起こりやすく、最悪の場合命の危険もある病気です。たくさん汗をかいて、体内の水分と共に塩分やミネラルが不足することで体に支障を来すのです。熱中症の症状は重症度によって色々ありますが、「寒気」もその一つ。ここでは熱中症の症状「寒気」に注目してみましょう。
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熱中症の症状に寒気ってあるの?
熱中症は汗をたくさんかいて脱水状態になると、症状が進むにつれて汗がでなくなっていきます。そして体内の熱が外に逃げずにこもってしまうことで、あっという間に重症化してしまいます。そして熱中症の症状として意外と知られていないのが、寒気です。暑いから熱中症なのに寒気?と違和感を感じるかもしれませんが、これはかなり重症で危険な症状でもあるのです。
熱中症で寒気を感じるメカニズムとは?
熱中症は重症度によって現れる症状が違いますが、軽症ですと目眩や頭痛、吐き気などの症状で済みます。これはたくさん汗をかくことで、体内の水分とともに塩分やミネラルが不足してミネラルバランスが崩れたことにより起こります。しかし症状が進むと血液や脳に異常が出て、意識障害や脳出血という大変危険な状態にまで陥ってしまいます。これは一歩間違えば手遅れになりかねません。
熱中症が重症化してしまうと、脳の視床下部が熱でおかしくなり体温調節機能が働かなくなります。つまり暑いはずなのに脳が誤差動を起こして、寒いと感じてしまっているのです。このため体は熱くなる一方、寒気と震えに襲われてさらに危険な状態へとなってしまいます。
寒気が止まらない場合の対処法
熱中症の症状として寒気は大変危険な症状であると認識しましょう。たとえ意識があったとしても、早急に救急車を呼ぶレベルです。そして救急車の到着を待つ間にも応急処置をするか、しないかで生死や今後の回復も変わってきます。順序だてて説明していきましょう。
①涼しい場所に移動する。
室内ならばエアコンの効いた涼しい部屋へ、外ならば木陰など風通しのよい場所に移動しましょう。そして衣服のボタンやベルトを緩め、仰向けに寝かせます。その時の体勢は足の下にクッションなどを入れて、30㎝程足を上げるようにします。熱中症の時は脳に十分な血液が回らなくなっているので、この体勢で脳にも血液が行き渡るようにします。
②効率的に冷却する。
寒気に襲われていても体は熱くなっているので、効率的に体温を下げなければなりません。濡れタオルや保冷剤をタオルで巻いたものを脇の下や足の付け根、首の付け根にあてましょう。これらの場所は太い血管が皮膚表面近くを通っているので、この血管が冷えれば効率的に体温を下げやすいのです。
③水分補給をする。
意識がハッキリしていて水分が飲める状態であれば、スポーツドリンクなどの塩分やミネラルが一緒にとれるものを飲ませます。カフェインを含んだ緑茶やコーヒーなどは逆効果になりますので、飲ませないように注意が必要です。また意識が朦朧とした状態で飲ませると、気管に入り込んで呼吸困難になりかねないので、決して無理には飲ませないようにしましょう。
参考:熱中症予防におすすめ!効果的なドリンクの作り方(手作りレシピ付)
寒気が止まらない場合、他に可能性がある病気は?
寒気がある場合、熱中症の他に何の病気があるのでしょうか?よく学生が朝礼などで倒れるというケースがありますが、あれは脳貧血、正式には「起立性低血圧」という病気です。長時間立っていることで、重力により脳に十分な血液が行かなくなります。脳貧血の症状としては、目眩、冷や汗、寒気、吐き気、動悸、震えなどです。
また糖尿病患者やスポーツする人が陥りやすい低血糖症もその一つです。糖尿病の治療薬の血糖降下薬が効きすぎてしまったり、食事を抜いて激しいスポーツをしてしまうと低血糖に陥ってしまいます。低血糖になると自律神経や中枢神経が生命の危険を知らせるために、冷や汗、寒気、震え、動悸、頭痛、痙攣、意識障害が起こります。
熱中症について症状や対処法を以下に詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。