熱中症の病院での具体的な処置とは?点滴や水分補給に入院期間

熱中症で病院に搬送された場合、どのような処置や治療が行われるでしょうか。入院となった場合、どれくらいの期間、入院することになるでしょうか。

 

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病院での対応

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熱中症では、体の温度が上がり、大量の汗をかいて脱水症状をおこしています。病院にかかった場合、冷却療法と輸液療法の二つの処置が行われます。

 

冷却療法では、上がってしまった体温を下げます。体の表面から冷やす場合と、体の内側を冷やす場合があります。

表面からでは、氷嚢などを首筋、太ももの付け根、わきの下に当てて冷やします。体の表面にアルコールを吹き付け、さらに扇風機で風に当て、アルコールが蒸発する際の気化熱を使って熱を取ることもあります。

冷却マットや冷却毛布を体に巻き付けて冷やすこともあります。

 

これらの方法でも体温が下がらない場合は、体の内側から冷やす方法をとります。胃壁や膀胱壁を流れる血管に、冷やした生理用食塩水を入れ、かつ出して冷やします。人工透析の器具を使って、血液を出して冷やして体内に戻す方法もあります。

これら血液や体液を外に排出したり戻したりする処置は人工呼吸器を使って行われます。

 

もう一つの輸液療法の輸液とは、点滴のことです。大量の汗をかいた体は、水分と塩分が不足してしまっているので、冷やした精製食塩水を点滴で血管に補給します。

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点滴

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水分を補うための初期の点滴は、生理食塩水やラクテック250ml/時で行われます。生理食塩水とは、体液とほぼ同じ濃度の食塩水です。現在は処方薬となっており、店頭での販売はされていません。

 

これに対し、ラクテックは、塩化カルシウム・塩化カリウム・塩化ナトリウム・乳酸ナトリウムなどスポーツ飲料に似たミネラルを含んでおり、酸性に傾いた血液を戻す効果があります。成人では500mlが使われることが多いですが、軽度の場合は250mlで様子を見ることが多いようです。

ラクテックGも脱水症状には使われます。ラクテックはカロリーがないのに対し、ラクテックGは200Kcal/l含まれています。ブドウ糖が入っており、より症状が進んでいるときに用いられます。

 

大きな病院では、血液検査も行い、電解質の様子をみて、それを補う点滴をします。必要に応じて、ブドウ糖なども点滴に加えます。なお、点滴は市販されていません。また、針を刺す行為は医療行為なので、資格が必要です。診察を受けて処方してもらうのがベストでしょう。

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水分補給

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人は一日に約2.5lの水分を排出しています。夏は汗をかくので、それを補うだけの水分を摂る必要があります。一日に1.5~2lの水分を補給するのが望ましいです。

水の温度は5℃~15℃で、一度にたくさんを飲むのでなく、少しずつ補給するのがよいです。10分で300mlまでが目安です。

 

脱水症状を起こしている場合は、水やお茶では危険です。汗を流していくうちに、汗に含まれる塩分の濃度は濃くなっていきます。

水やお茶を飲んでいたのでは、塩分が失われる一方です。スポーツドリンクは塩分を含んでおり、市販でよく売られているので、便利です。スポーツドリンクには糖分も含まれています。

熱中症予防のためには、塩分は100ml中、40~80㎎が望ましいです。糖分は100ml中、2.5gが一番吸収がよいです。スポーツドリンクには糖度がこれよりも高いものが多いので、水で薄めて飲むとよいです。

 

ドラッグストアでは、経口補水液も販売されています。ナトリウム、ブドウ糖、クエン酸、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルが配合されており、脱水にはとても有効です。

これも、一度に飲むのではなく、一日かけて必要な量を飲むようにします。量は、体重1㎏あたり、30~50ml、大人であれば一日で500mlほどです。

独特の味ですが、脱水状態にあるときは、この味をまずいと感じないので、まずいと感じる健康な状態であれば、飲む必要はありません。経口補水にジュースを混ぜて飲む、氷で割るなどしないで、そのまま飲めるときに飲みましょう。

入院期間

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成人の場合、1~2日で退院します。子どもや高齢者、成人でも意識障害が出ている場合などは、3~4日、またはそれ以上になることもあります。

重度の熱中症の場合は、後遺症が残っていないか、内臓や脳波の検査も行われます。

費用は7,8万円にのぼります。退院後も暑い日は続きます。熱中症はぶり返しやすいので、安静にしてしっかり治し、退院後も無理をしないようにしましょう。

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