熱中症で頭痛がひどい時の応急処置と効果的な市販薬での対処法
暑いところにいたら、頭が締め付けられるようにずきずき痛み始めた、というのが熱中症の頭痛の痛み方です。頭痛がし始めた場合、どのように対処したらよいでしょうか。熱中症と気づかないと、たいしたことはない、と思い過ごしてしまうかもしれません。
頭痛は、厚生労働省の定める熱中症Ⅱ度にあたり、病院に行くことを推奨しています。熱中症で頭が痛くなるということは、体から水分や塩分がかなり失われていることを示しています。そのまま水分補給が行われないと、熱中症Ⅲ度にまで重症化する可能性があります。
意識障害などになってしまう前に、頭痛の段階で気が付くことが大切です。適切な対応で、重症化することなく、早めに回復したいですね。
熱中症による頭痛 応急処置
熱中症かもしれない、と思ったら、応急処置をしましょう。病院に行くまで、救急車が来るまで、出来ることがあります。
まず、患者を涼しいところに移します。服を脱がせたり緩めたりして、熱がこもらないようにします。露出しているところに水をかけ、あおいであげます。
氷嚢や保冷剤があれば、首やわきの下、太ももの付け根を冷やします。冷たい水、特に経口補水液がベストですが、スポーツドリンクでもよいので、飲みます。
看病する場合、水分も飲めない状態の患者には、無理に飲ませようとはしないでください。軌道に入る恐れがあります。すぐに病院に行き、点滴を受けるようにしてください。
有効な市販薬は?
熱中症による頭痛では、バファリンやロキソニンなど、痛み止めの薬で頭痛を一時的に止めることは出来ます。熱中症と気が付かないで、頭痛薬にとこれらを飲んだ場合、薬の効果が切れると、再び痛みに襲われます。
頭痛薬では、熱中症の原因になっている、脱水症状の回復も、体の熱を取り去ることも出来ないので、症状は改善しません。
なお、ロキソニンには、胃腸の機能が衰える、むくみが出る、などの副作用があります。頭痛薬は解熱作用もあります。バファリンにも胃痛の副作用があります。
夏は冷たいものを摂りがちで、胃腸も弱ることが多いです。出来れば、体を冷やす、水分とミネラルの補給をしっかりする、という熱中症に必要不可欠な対応で、頭痛を改善したいですね。
薬以外で出来る効果的な対処法
熱中症には、体温を下げる、水分やミネラルを補給する、という対処が第一ですが、他に出来ることもあります。
汗をかくと、ナトリウム以外にも、カリウム、マグネシウム、ビタミンB1が失われます。クエン酸も熱中症には効果的です。これらの栄養素を積極的に摂ることが大切です。それぞれの栄養素の重要性や、効果的な摂り方を見ていきます。
マグネシウム
マグネシウムが不足すると、足がつります。熱中症Ⅰ度に、こむら返りの症状がありますが、これはマグネシウムが汗と一緒に排出されて不足しているためです。
マグネシウムは、糖分をエネルギーに変える働きをします。また血圧や体温の調整にも働きかけます。細胞の内外のナトリウムとカリウムのバランスを整えてもくれます。
マグネシウムを効果的に取るには、にがり水がよいです。一気に飲み干すのでなく、のどの渇きを感じたらちょこちょこ飲む方がよいです。
ビタミンB1
マグネシウムは糖分をエネルギーに変える働きをしますが、その時にビタミンB1も必要になります。夏場はアイスクリームを食べることも多くなるので、その分解や吸収にビタミンB1が必要となり、消費されていきます。
また、ビタミンB1には乳酸などの老廃物を代謝して、疲労を回復させてくれる働きもあります。夏場に疲れがたまってしまうと熱中症にかかりやすくなるので、意識して摂りたい栄養素です。
ビタミンB1は水に溶けやすいので、汗をかくと消費してしまい、不足しがちになります。アルコールを分解する働きもあるので、夏になったらビールを欠かさず飲む人は、さらに消費してしまいます。
ビタミンB1は豚肉や大豆に含まれています。普段の食生活から摂ることも大切ですが、頭痛がするときなどは、栄養ドリンクやサプリメントで、補給するのもよいです。
カリウム
カリウムには体内の水分を保持する働きがあります。カリウムが不足すると、細胞内が脱水症状を起こします。
ナトリウムの排出を促して血圧の上昇を抑えたり、老廃物の排出を促したりもします。筋肉の収縮をスムーズにもします。
パセリ、ホウレンソウ、オカヒジキ、芽キャベツ、アボガド、バナナ、ほや、さわら、かんぱち、などに多く含まれます。急を要する場合は、サプリメントも利用するとよいですね。
クエン酸
クエン酸は疲労回復に効果があります。また、酸性に傾いた体をアルカリ性に戻したり、乳酸や脂肪をエネルギーに変える働きがあります。
クエン酸は、梅、レモン、オレンジ、ユズなどに含まれています。
今は、クエン酸の粉末が販売されています。水に溶かして飲めるので、手軽に摂ることが出来ます。梅や果物が苦手、という人にはよいですね。