熱中症で病院が処方するカロナールの薬の効果と体への影響

毎年のように熱中症のニュースが報道されていますが、経験がないと他人事のように感じている方もいるのではないでしょうか。通常人間の体温は36℃程度でバランスを保っています。

しかし暑い環境で、水分補給をしないままでいると体温は上がっていきます。そして頭痛や吐き気、目眩などの症状が現れると、熱中症となってしまうのです。軽度の熱中症であれば、涼しい場所に移動して体を冷やし、塩分を含んだ水分補給をすればかなりの回復を見込めるでしょう。

しかし熱中症となれば軽度であれ、病院を受診した方が安心です。では熱中症で病院を受診したら、どのような薬が処方されるのでしょうか？

病院を受診したら何をするの？

病院を受診する前の冷却や水分補給などの応急処置で回復することができれば、様子を見ましょうと帰されることもあるかもしれません。しかし熱中症の症状はあっという間に進んでしまうので、そうなると病院でしかできない治療も施されます。まずは医療的冷却から始まり、脱水症状を改善するために生理食塩水などの点滴を中心とした治療を行います。これらの処置である程度は快方に向かいます。

また熱中症の症状としてよく挙げられるのが頭痛ですが、１度熱中症による頭痛が引き起こされてしまうとなかなか引いてくれません。通常熱中症の薬というのはないのですが、この厄介な頭痛を和らげる薬として処方されるのが｢カロナール｣という頭痛薬です。カロナールは医師でなければ処方できる薬ではないので、あまり馴染みがないかもしれませんがどのような薬なのでしょうか。

頭痛薬カロナールってどのような薬？

熱中症の症状で頭痛がある場合に、カロナールが処方されることが多いようです。しかし熱中症の症状を改善するために、薬を飲んでいいのかという疑問がわくのではないでしょうか。もともとカロナールは解熱鎮痛剤であり、熱中症の症状であっても頭痛を和らげる働きは期待できるでしょう。

カロナールは小児にも処方されることもある位、薬の効き方が穏やかで副作用の心配も少ないと言われています。酷い頭痛にはあまり効かないかもしれませんが、安全性が高いので熱中症の症状にもカロナールが使われるのでしょう。

ただあくまで対症療法としての薬です。熱中症の処置で根本的な頭痛の原因を取り除かなければ、薬の効果が切れた頃にまた頭痛が再発します。ですから熱中症を治す休息、冷却、水分補給をした上で、それでも頭痛が治らなければカロナールを使うという考え方でいることが大切です。

カロナールを服用した場合の体への影響は？

小児にも処方されるほど安全性の高いカロナールですが、妊娠中や授乳中はどうなのでしょうか？妊娠中に熱中症で頭痛があれば早くに治したいものですが、お腹の赤ちゃんに影響があるようであれば大変です。以前はカロナールの服用は問題ないとされてきましたが、ここ数年で改訂されました。妊娠後期のカロナールの服用で、胎児に動脈管収縮を起こすことがあると報告されています。

動脈管収縮とは動脈管が早期に収縮して、肺に負担がかかることで新生児肺高血圧となってしまったり、死産のケースもあるようです。ただ酷い頭痛の場合には、カロナールは鎮痛剤の中では安全性が高く妊娠中でも処方されることもあります。

また授乳中の場合はどうなのでしょう。カロナールは服用して1時間後に血中濃度が一番高くなります。そして5、6時間後には血中には殆どが消えて無くなります。したがって授乳してすぐに服用し、次回の授乳を5時間程度あければ赤ちゃんには影響を与えないといっていいでしょう。

どれくらいの薬代が必要？

熱中症の症状が重度であれば入院となり、2、3日の入院でも費用は7、8万程度ととても高額となります。通常薬を処方される程度であれば1000円以内には収まるでしょう。それくらい熱中症の応急処置が需要であり、薬は補足としての役割なのです。