幼児に見られる熱中症の7つの症状と、最初にすべき対処法
ここ数年の夏は猛暑が当たり前のようになり、さらなる熱中症への注意が必要になってきました。特に3歳未満の幼児は自分の症状を上手く伝えることができないので、親が気を付けなければなりません。幼児によく見られる熱中症の症状や対策を知っておきましょう。
幼児によく見られる熱中症の症状とは?
熱中症は気温が高い日の外でなるというイメージがありますが、室内でもありえます。幼児の場合暑いと室内でいることが多いので、むしろ室内での熱中症に気を付けなければなりません。熱中症になりやすい環境は高温、多湿、無風です。人は暑くて体温が高くなると、汗をかいて蒸発する気化熱によって体温を下げようとします。しかし高温なのに多湿ですと汗をかきづらく、汗をかいても無風だと蒸発しにくくなります。
幼児の場合この状態が顕著に表れ、熱中症になりやすくなります。また皮膚表面の温度を下げようと、表面の末梢血管に血液量が多くなります。結果消化器などの内臓に行く血液が少なくなるので、嘔吐の症状として現れます。さらに脱水状態になると心臓や脳の防衛反応が働き、血管が収縮します。この刺激によっても嘔吐を引き起こしてしまうのです。以下に幼児によく見られる症状を挙げていきましょう。
- ぐったりする。
- 38℃以下の高熱が出る。
- おしっこが出ない。
- 汗をかかない。
- 唇が乾燥している。
- 顔色が悪くなる。
- 吐き気、嘔吐する。
このような症状が見られたら熱中症の可能性が高くなります。特に幼児は汗をかいたり体温を調節する機能がまだ未熟です。よって気付かないうちに脱水状態になっていることが多く、急激に危険な状態になりやすくなるので、いつもと様子が違わないか注意が必要です。幼児の熱中症はまず元気がない、ぐったりする症状が見られないかをチェックしましょう。
幼児に熱中症の症状が見られたらまずすること
幼児に上記で挙げた症状が見られたら、まず意識状態のチェックをします。呼びかけに反応しない意識障害が見られたら、一刻も早く救急車を呼びましょう。周りに人手がある場合には、救急車を呼んでもらえるよう頼めるといいですね。意識状態がしっかりしていて水分補給ができれば、自宅での処置が可能です。
幼児が嘔吐している場合の対処法は?
幼児に熱中症の症状で嘔吐が出やすいのは、消化器への血液が少なくなることや血管収縮が原因です。ですからこれらを元の状態に戻してあげることが重要なポイントとなります。体を冷やして体温を下げることで、血管の収縮や血流を回復させます。以下に嘔吐症状がある場合の対処法を順序づけしてみます。
- クーラーの効いた部屋で休ませる。
- 保冷剤や氷の入った袋で脇の下、首の付け根、足の付け根を冷やす。
- 嘔吐症状が治まってきたら、少しずつ水分補給する。(麦茶や薄めたポカリスエットなど)
- しばらく安静にさせる。
吐き気や嘔吐症状が強い場合には、早めに受診しましょう。意識が朦朧としている場合には、救急車を呼びます。
参考:熱中症で病院で治療を受ける場合、点滴はする?時間や費用は?
幼児が発熱している場合の対処法は?
嘔吐症状の場合と同様に、涼しい場所での休息、頸動脈付近の冷却、水分補給が重要です。熱中症の時の水分補給は、大人の場合スポーツドリンクがいいとされていますが、幼児の場合スポーツドリンクでは塩分や糖分の摂りすぎとなります。麦茶やスポーツドリンクは2倍以上は薄めて飲ませましょう。また対処法をして幼児の体温は一時的に下がったとしても、またぶり返す可能性がありえます。
参考:熱中症の症状で気をつけたい発熱の原因と対処法、別の可能性とは?
さらに少し回復すると、幼児は動き回りたくなるかもしれません。元気になったように見えても、完全に回復した訳ではないのでなるべく休ませる努力をしましょう。幼児は完全に回復するまで1週間かかることもあります。回復状態が良くなければ、病院で受診すると安心です。
熱中症について症状や対処法を以下に詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。