夏風邪で子供が高熱が続く場合、考えられる病名9種と対処法

子どもは夏に流行するウィルスで夏風邪に感染することが多いです。ウィルス性の病名は色々と考えられますが、特徴を見極めて適切な対応をとりたいですね。特に高熱が高い場合は、注意が必要ですので、適切な対処法をお伝えします。

 

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高熱が続く夏風邪の原因

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夏風邪の中でも高熱を伴う場合、ヘルパンギーナやプール熱といった、ウィルス性の別の病気という場合があります。高熱になりやすい原因の病気をひとつずつ説明します。

ヘルパンギーナ

喉がかなり痛みますが、咳は出ません。口の中に水泡が出来ます。前触れがなく、突然、高熱が出ることが多いです。6月から8月にかけて流行します。

プール熱

扁桃腺が腫れ、目が充血します。熱は下がったかと思えば、夜になってまた高くなったりし、完全に下がり切るまで5日ほどかかります。腹痛や下痢を伴うこともあります。

中耳炎・副鼻腔炎

風邪を引いた後、多くの子供が中耳炎にかかります。気が付かないうちに治る子もいれば、膿がひどくなり熱を出す子もいます。副鼻腔炎は、鼻の周りの骨の空洞になっているところにウィルスが入り、炎症をおこします。これも頭痛や鼻水、咳といった症状で、風邪とほぼ一緒ですが、高熱を伴う場合が多いです。

突発性発疹

一歳未満の乳児がかかることが多い病気です。お母さんのお腹にいるときにもらった免疫が切れた6か月ごろから、発症することが多いです。突然40℃近い熱が出て、熱が下がると発疹が出ます。

マイコプラズマ肺炎

最初は風邪と診断され、何度か診察を受けるうちに判明することがあります。初期のころは、聴診器でもゼロゼロした音が聞こえないので、分かりにくいようです。粘膜に付着している菌を検査し、診断します。咳は乾いた咳から湿った咳になっています。熱も長引くことが多いです。病原体はウィルスと細菌の中間の大きさで、病原微生物です。

デング熱

蚊を媒介してウィルスに感染します。3~5日熱が出て、熱が下がると発疹が出ます。

髄膜炎

脳やせき髄を覆う保護膜に炎症を起こします。細菌によって炎症を起こす場合は、細菌性髄膜炎と言い、急な発熱、頭痛、うなじの硬直、意識障害、けいれんなどの症状が見られます。ウィルスによって炎症を起こす場合は、細菌性髄膜炎よりも症状が軽く、発熱、頭痛、嘔吐が見られます。熱は38℃から40℃と高く、5日間ほど続きます。飛沫感染でウィルスがうつるケースが多いです。

川崎病

4歳以下の乳幼児がかかり、1歳前後が一番多いです。全身の血管に炎症を起こす病気です。最初は風邪に似た症状で、発熱、咳、鼻水などがあります。39℃から40℃の熱が5日以上続く、赤い発疹が全身に出る、手のひらや足の裏が赤くむくんで固くなる、唇が荒れ、舌も腫れて発疹が出る、目が充血する、首のリンパ腺が腫れる、などの症状が合わせて起こります。

熱が下がるころには、指先の皮がむけます。熱が下がった後に問題になるのは、心臓の筋肉に酸素や栄養を送る冠状動脈への影響です。

川崎病にかかった子ど小の1割が、冠状動脈が広がってしまったり、こぶができたりします。これは自然に小さくなり、正常な大きさに戻ることが多いです。こぶの中に血栓ができて固まると血流を止めることになります。冠状動脈に影響が出た場合、血液が固まらないように薬を服用したり、カテールという管を入れて、風船を膨らまして広げたりなどの処置を取ります。

尿路感染

腎臓で作られた尿は、尿管を通過して膀胱に集められ、尿道を通って排泄されます。尿管から尿道までの間のどこかで、細菌がついて炎症を起こす病気です。最近は腸や膣からやってくることが多いです。赤ちゃんの場合、咳や鼻水、のどの腫れがないのに発熱している場合、尿路感染症にかかっている場合があります。乳幼児では男の子、年長児では女の子に多くなります。泌尿器科がある病院で検査をします。

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高熱だけが続く場合の対処法

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夏風邪がウィルスによるものであれば、3日くらいで熱が下がります。高熱であっても、体がウィルスと戦うことで、免疫力が高まるので、3日ほどで収まっていくようであれば、安静にして体力の回復を待ちます。

しかし、3日以上になれば、細菌による可能性が出てきます。細菌となれば、肺炎や髄膜炎、尿路感染など、重症化・長期化することもあります。必ず病院に行きましょう。また、川崎病も発熱から7日間までに治療がスタートできれば、冠状動脈に大きな障害を与えずに済むことが出来る可能性があります。

高い熱が3日以上続くようであれば、様子見ばかりでなく、これらの病気かどうか検査を受けたほうがよいでしょう。検査を提案してくれない医師であれば、病院を変えてみます。熱のある子どもを抱えて病院を回るのも体力がいりますが、次に熱が出たときにどこに連れて行けばいいのか、大きな指針になります。

診察を受けるまでに、子供の様子をメモしておくと、医師がより判断しやすくなります。

体温、食事や水分補給の時間や量、尿の時間や量、便の時間や状態を時系列に書き出しておくとよいです。メモをとれば、次に看護するときに参考になります。高熱が続くと食べられなくなってしまうことが多いです。食べられない場合も、水分補給だけは欠かさずやります。イオン飲料が一番いいですが、飲むことも出来ないようであれば、点滴を受けましょう。

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解熱剤は使った方がいい?

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熱があるということは、ウィルスの増殖を抑えようと体が働いていることでもあり、体の免疫を高めているところでもあります。そのため、むやみに下げる必要はありません。ただ、熱のためにぐったりしたり、水分や睡眠がとれないようであれば、解熱剤を使って熱を下げたほうがよいです。3時間は効果があるので、そこでしっかり眠ることが大切です。

高熱で脳に影響はあるの?

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熱で脳に影響が及ぶことはかなりまれです。42℃以上になると脳の機能は衰えると言われています。夏で注意したいのは熱中症よりも重い、熱射病です。何時間も運動したスポーツ選手や、冷房のない室内に居続けた老人などが、かかりやすいです。

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