押すと痛い?右や左の卵巣辺りが腫れて痛む原因や妊娠への影響

女性の骨盤内には、腸や膀胱・尿管などといった内蔵系と、子宮や卵巣・卵管など生殖機系など様々な物が存在するので、その中で痛みがあらわれると原因は色々考えられます。その痛みが生理痛とは少し違う、と感じたり、生理以外のタイミングで痛みが起きたりした場合は卵巣痛の可能性もあります。

そんな卵巣痛の原因や仕組みについてまとめました。

 

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卵巣辺りが痛む原因、左右の卵巣で変わるのか

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似た場所の痛みでも生理痛と排卵痛は違います。痛み方も違えば原因も違います。生理痛は子宮の収縮によるものなので下腹部分全体が痛むのに比べて、卵巣は下腹部分の左右に位置するためどちらかに痛みを感じる事が多いです。

原因1 排卵痛

毎月生理と生理の間に下腹部分が痛むのであれば、排卵痛が考えられます。個人差はありますが、だいたいセイリゴ14日前後なのでこの頃痛みが現れるのであれば可能性は高いです。

基本的には左右交互に排卵すると言われているので、痛む方によってどちらから排卵しているかわかる人もいるようです。普通の痛みなら問題ありません。激しい痛みなら出血による腹膜刺激症状も考えられるので、受診をしてください。

原因2 妊娠初期

妊娠初期に卵巣辺りが痛むのは、ホルモンの影響だと言われています。妊娠を維持するためにその働きを高めるように卵巣がホルモンに刺激され、腫れて痛みが現れる事もあります。こちらも我慢できる程度の普通の痛みなら心配はありません。

原因3 卵巣嚢腫

卵巣は卵管と一緒に子宮の横にあり、薄い膜でそれらは繋がっています。元々卵巣に腫瘍や筋腫があったりした場合、妊娠により子宮が大きくなる事でその場所が変わったり押されて捻れたりして痛みが出る事があります。

通常、妊娠中新たに腫瘍ができる事はほとんどないので妊娠前からあったものが自覚症状のないまま経過し、妊娠を機に発覚する事がよくあるようです。

この痛みは体勢を変えたりしてしばらくして和らげばいいのですが、あまり激しい痛みが続くようなら卵巣嚢腫茎捻転になっている可能性もあるので早目に受診をしてください。

左右どちらかの痛み

毎月左右どちらかだけが痛む場合があります。ほとんどの排卵は、毎月左右の卵巣から交互に排卵するとされていますが、必ずしもそうでなく右が数ヶ月続いて排卵した後左から数ヶ月続いて排卵する、という例もあり個人差が大きいと考えられます。

また片方の卵巣が摘出されていたり機能していなかったりする場合も片方の卵巣だけで機能を保とうとする為に片方だけ痛む場合もあります。

二ヶ月に一度痛む

左右の卵巣から交互に排卵されていると考えて、二ヶ月に一度痛みが出る場合もあります。
しこの場合は、痛む側の卵巣に子宮内膜症などによる嚢胞があったりする事があります。この痛みが酷い場合は受診される事をオススメします。

卵巣嚢腫茎捻転

何かしらの影響で卵巣にできた嚢腫が5~6センチになると茎捻転を起こしやすくなります。嚢腫が捻れるのです。痛みが出ても、何かのはずみで捻れが戻れば痛みは治まります。その捻れが戻らない状態が続くと卵巣に血液が送られなくなり壊死してしまう事もあります。こうなると激痛で耐えられなくなります。

卵巣癌

卵巣自体は痛みなどの自覚症状がない為に症状が出た時は既に病巣が大きくなっていたり転移していたりと、それまでわからない事が多いです。こちらは定期検診がとても大切になります。

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卵巣の腫れが起こる原因

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腫れが起こる原因もいくつかありますが、代表的なものはこちらです。

妊娠初期からの腫れ

これはホルモンの影響が考えられます。「ルテイン嚢胞」と呼ばれるものです。妊娠初期にはHCGと言う、排卵の後に卵巣に作られた黄体を刺激してその働きを維持させる役割のホルモンが分泌されます。

特に胎盤が作られる12~16週くらいまでは妊娠を保つ為に黄体の働きを活発にしなくてならないので、HCGが卵巣を強く刺激する事で卵巣が腫れる事があります。この腫れを「ルテイン嚢胞」といいます。

胎盤ができはじめると黄体は働きを終えて次第にルテイン嚢腫も小さくなっていきます。しばらく卵巣の腫れは続きますが、ほとんど自覚症状はなく小さくなっていきます。その時期を越えても痛むようなら流産の可能性もあるので早目に受診してください。

卵巣癌

左右の癌ができた方の卵巣が腫れます。卵巣癌のリスクが高くなる閉経後の卵巣の腫れは卵巣癌が多いとされています。さらに腹部に水が溜まり出すと外見からわかるように膨らんでくる事もあります。卵巣癌は早期発見が大切です。下腹部分の痛みに加えて張りや不快感がある時は早目に受診してください。

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妊娠への影響

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卵巣の腫れ自体は妊娠初期にはよくある事です。妊娠中は卵巣に水などが溜まりやすくなるために腫れがあっても心配はありません。検診時のエコー検査で腫れがわかると、しばらく様子を見て腫れがひかない状態が続けば検査をし、その腫れが悪性か良性かまたは子宮内膜症などがないか調べます。

万が一腫瘍があったとしても、赤ちゃんの成長に影響がなければ出産後に手術という事もあります。茎捻転と診断されるとすぐ手術になる事もあります。腫れているのがわかるとまずは経過観察になります。

仕事をされている妊婦さんはお休みをとって安静にするのが最優先です。腫れがひどいと医師から生活パターンの指示をされる事もあります。その場合は従い、無理な動きはしないようにしてください。妊娠初期に腫れても後期には自然と腫れが小さくなる人もいます。

卵巣の痛みや腫れの対処法

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痛みや腫れの種類は実に様々です。しばらく安静にしても治まらない痛みならまず産婦人科を受診しましょう。妊娠の有無に関係なく、早目の受診が一番です。その痛みが排卵痛であった場合は、産婦人科で通院治療だったり薬での治療だったりします。

主なものは、ピルで排卵を止めて症状を和らげる治療です。またその痛みが卵巣痛だった場合、卵巣痛の原因は様々です。

まずは検査をしないと、卵巣・子宮・腸など痛みの場所の特定は難しくなります。原因を探るためには場所の特定が先決です。原因がわかればそれぞれの治療法があります。不安に思っていたら排卵痛だったという例もあるので、まずは受診してください。

その他卵巣嚢腫やチョコレート嚢腫・卵巣茎捻転・卵巣炎・卵巣癌などは重症になると手術もあります。早目の受診、普段からの定期検診がとても大切になります。

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