幼児にも使える!虫刺されの腫れに効果がある市販薬7選
虫に刺されると、腫れ、かゆくなります。腫れやかゆみは一体なぜ起こるのか、メカニズムを把握した上で、特に、腫れに効く薬は何なのか、見ていきます。
腫れやかゆみの原因
虫もヒトの血を吸うために、様々な工夫を凝らしています。腫れやかゆみは、虫の唾液の成分に、ヒトが反応して起きます。
蚊の唾液成分
虫は針をヒトに刺すと、唾液を注入します。唾液の中には様々な成分があります。これがかゆみを引き起こします。成分の一つにアピラーゼというものがあります。ヒトの皮膚では、傷がついたので血を止めるために血小板を集結させます。
しかし、それでは蚊は血を吸うことが出来なくなり、また吸った血が蚊の体の中で固まってしまいます。そのため、アピラーゼを注入し、血小板が固まろうとするのを抑えます。また、唾液は局部麻酔の成分も含んでいます。そのため、かゆみが出てくるのは、反応が早い人でも数分後からになります。
ヒトの反応
虫の唾液が体に入ってくると、ヒトはアレルゲン(抗原)とみなし、抗体を作り始めます。抗体がアレルゲンを捕まえると、肥満細胞が活性化されヒスタミンが放出されます。ヒスタミンは血管の拡張作用や、知覚神経を刺激する作用があるので、腫れやかゆみが起きます。また、Tリンパ球も活性化され、炎症性サイトカインも放出されます。腫れが出るのはこのためです。
乳幼児は虫に刺された経験が少ないため、虫の唾液をアレルゲンと認識し、抗体を作るまでに時間がかかります。そのために1~2日後に症状が出ます。
腫れに効果がある薬
虫に刺されてすぐに反応が出る人であれば、ステロイドが配合されていない薬で様子をみるのもいいでしょう。遅延型反応であれば、炎症やかゆみが収まるまで一週間程度はかかるため、ステロイド配合の薬を使って早く治します。
ステロイド配合のよく効く薬
ステロイドには様々な種類があります。効き目の強さは5段階に分かれていますが、真ん中のストロング以下が、虫刺されによく使われます。虫刺されの場合は、短期的に使って早く治すことが重要なため、腫れがひどい場合は、やや強めの成分が用いられます。よく処方されるのは、リンデロンVG軟膏です。リンデロンVG軟膏には、ベタメタゾンエステルというステロイドが入っています。薬の強さは、上から2番目のベリーストロングです。
また、ゲンタマイシンという抗生物質も配合されています。炎症を抑える薬には抗生物質を配合されているものも多く、細菌の増殖を防ぐ目的があります。リンデロンVG軟膏は、ステロイド配合分が高く、市販では販売されていません。
家庭にもステロイド配合の薬を置いておき、病院にかかるか様子を見たい場合、ベトネベートN軟膏、フルコートFも同じ効果があり、市販で買えます。薬の強さは、どちらもストロング、市販で帰るものの中では最も強い部類になります。ベトネベートN軟膏にもベタメタゾンエステルが入っています。フルコートFも同じ効能で、市販で販売されています。ステロイド成分はフルオシノロンアセトニドです。
アンテドラッグ
近年アンテドラッグというものが市販で見かけられるようになりました。これは、患部には炎症を抑える働きをし、体で吸収される時には効力を弱め、副作用を少なくすることを目的に作られたステロイドの薬です。薬の強さが、患部ではストロングで働きかけ、体に吸収される時はウィークに変わります。ムヒアルファEX、オイラックスPZ軟膏、ウナコーワエースなどがあります。
非ステロイドのよく効く薬
非ステロイドで炎症を抑えてくれるものは、ウフェナマートという成分です。顔を刺された場合、顔はステロイド吸収率が高いので使いたくない、という場合にも使えます。効き目はステロイドよりは弱いです。虫刺されによる症状が軽度の場合でも、かゆみでかきむしりたくなります。かゆみ止めの成分、ジフェンヒドラミン配合のものが効きます。
市販ではユースキン・トーヒルがウフェナマート、ジフェンヒドラミンが配合されています。武田薬品工業のロバックUもこの二つの成分が入っています。
その他、虫刺されについて症状や対処法を以下に詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。