銀杏による中毒は何個まで?食べ過ぎで注意すべき症状と対処法

秋といえば食欲の秋。イチョウの葉も色づき、銀杏の美味しい季節です。銀杏はそのまま焼いたり茶碗蒸しにしたり食べ方も様々ですが、実はメリットとデメリットのある食べ物なのです。美味しく最後まで楽しく食べる為には少し注意も必要です。そんな注意点やどれくらいが適量なのか、また対処法などをまとめました。

 

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銀杏の注意点や適量と対処法

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銀杏のデメリットとそれによる症状

銀杏を食べ過ぎた後は食中毒の危険性があります。なぜかと言うと、銀杏のメチルピリドキシンと言う成分がビタミンB6の働きを妨げるのでビタミンB6が弱まり少なくなってしまいます。ビタミンB6とは体の代謝に関係する酵素の働きを支える存在なので「補酵素」とも呼ばれています。これが減少する事により体中に中毒を引き起こす原因になってしまいます。

その症状は、食後1時間~12時間で下痢・嘔吐・腹痛・などが出てきます。そして更に重症になると、痙攣・心拍数の増加・呼吸困難・めまいなどが起き、最悪死に至る場合もあります。

また、このメチルピリドキシンは脳の興奮を抑えるGABAと言う物質を少なくしてしまう動きもあるので、大量に摂ると神経の興奮が置きやすくなります。それが痙攣や呼吸困難の原因にもなっています。更にGABAは血圧を下げる作用もあるので、これが減ることにより血圧も上がってしまうのです。

銀杏中毒の対処法

症状が出てしまった時はなるべく早目に病院で受診します。銀杏を何時頃どれくらい食べたかを医師に伝える事が大切です。治療は、全身の管理や症状による対処療法がメインになります。痙攣に対してはビタミンB6を活発にさせる為の注射が必要となります。

もしも子供が中毒症状を起こした時は、日本中毒情報センターでは「痙攣を引き起こす恐れがあるので無理に吐かせてはいけない」とされています。銀杏を食べて子供が呼吸困難や顔面蒼白の症状が出たら、無理に処置しようとしないで直ちに救急車を呼ぶべきだ、と言う事です。大人も同じですが、食べた量や時間・症状が出た時間などをしっかりと医師に伝えます。

病院では、症状が一旦治まっても再度痙攣が起きる事もある為入院で様子を見ます。したがって少なくとも受診したその日は入院の覚悟が必要です。

銀杏中毒の半数が24時間以内に症状が楽になっており、遅くても90時間以内には全てが回復に向かいます。

何個まで?銀杏の適量とは

食べ過ぎると中毒になる銀杏。では何個までなら食べても大丈夫なのでしょうか?

1日当たり、子供は7個・大人は40個くらいまでとされています。子供でも4歳以下は食べさせない方が良いです。

40個と言う数字は一般的にはどうかわかりませんが、好きな方にしてみたら現実的に充分有り得る数字でしょう。子供の7個、これは周りの大人が注意して見てあげないと危ない数字です。食卓に並べばすぐに食べてしまいそうな数です。

更に怖いのが、子供の方が発症しやすく、中毒症状の7割が9歳以下の子供なのです。大人は肝臓にメチルピリドキシンの悪さを抑える酵素がありますが、肝臓が未発達な子供はこれをしっかり分解できずに中毒症状になりやすいのです。

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銀杏のメリット

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デメリットや注意点を挙げましたが、その反面銀杏には体に良い面もたくさんあるのです。熱を加えると、滋養強壮に効いたり痰の切れを良くしたり咳を鎮めるなどの効果があります。生のままだと、痰の切れを良くする他に殺虫効果もあります。

ドイツでは定められた基準を満たすイチョウエキスが認められて医薬品として販売されています。日本ではそれらは認められていません。臨床試験では認知症や脳機能障害などが改善の傾向が見られたとの結果も出ています。

このように、銀杏には体にとてもいい効果も持ち合わせているのです。

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銀杏を美味しく楽しくいただく為に…

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美味しい銀杏も、海外では医薬品としても利用されているのでそれだけ成分が強いという事です。

日本で今まで報告された銀杏中毒は70件あり、その内残念な結果となってしまったものが22件ありました。つまり、銀杏中毒による死亡率は約30%にもなるのです。中には2歳の子供が5個の銀杏を食べて亡くなったという事例もあります。

度を越さなければ体に良い銀杏。目安の個数は挙げましたが、その日により体調は変化します。前回食べて大丈夫だったから今回も大丈夫!ではなく、その時の体調とよく相談しながらこの時期の一番美味しい銀杏を楽しんでいただく事をオススメします。

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