食事で予防できる!入院が怖い妊娠高血圧症候群の原因と症状
妊娠すると想像以上の体調の変化を感じることでしょう。つわりや腰痛などかなり個人差がある妊娠中の症状やトラブルがありますが、「妊娠高血圧症候群」もその1つです。妊娠高血圧症候群はママの体やお腹の赤ちゃんの命までも脅かす怖い病気なので、知識を深めて不安を解消しましょう。
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妊娠高血圧症候群とは?
妊娠高血圧症候群とは妊娠後期の8~10ヶ月で発症しやすい合併症です。高血圧、尿淡白、浮腫の症状のうち1つでも当てはまり、さらにこの症状が妊娠による偶発的な合併症ではない場合に疑われます。
この病気は全妊婦の7~10%の割合で発症すると言われており、妊婦検診において高血圧、尿淡白、浮腫、急激な体重増加が見られた場合に診断が下されます。なお以前は「妊娠中毒症」という名称で知られていましたが、2005年に「妊娠高血圧症候群」に変更されました。
妊娠高血圧症候群の原因とは?
妊娠高血圧症候群の原因はハッキリと解明されていませんが、妊娠による急激な体の変化に上手く順応できないことによるものと考えられています。ただし妊娠高血圧症候群のリスクが高い人はいます。以下に挙げていきましょう。
- 糖尿病、高血圧、腎臓病などの持病を持っている。
- 15歳以下、40歳以上である。
- 肥満である(BMI値が25以上)。
- 母親に妊娠高血圧症候群歴がある。
- 多胎妊娠中である。
- 初めての妊娠である。
- 過去に妊娠高血圧症候群になったことがある。
これらの条件に当てはまった方は妊娠高血圧症候群のリスクが高くなりますので、注意が必要です。
妊娠高血圧症候群の症状とは?
妊娠高血圧症候群と診断されるには「高血圧、尿淡白、浮腫」が見られます。以下に詳しく解説しておきましょう。
高血圧
妊娠中には赤ちゃんに血液や栄養を送っているために、通常よりは高くなるのが普通です。ですが最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上で高血圧であると見なされます。
尿淡白
健康な方の尿には淡白が出ることは殆どありませんが、妊娠高血圧腎症で腎臓のろ過をする機能が低下している時は尿に淡白が出やすくなります。
浮腫
妊娠中に浮腫を経験する方は多いので浮腫だけで判断は難しいですが、妊娠高血圧症候群の浮腫は安静にしていてもなかなか引かないのが特徴です。
妊娠高血圧症候群の治療法とは?入院の可能性はある?
妊娠高血圧症候群の特徴は産後改善されることなので、出産することが一番の治療法です。
しかし赤ちゃんが未熟児であると、そう単純にはいきません。病院で軽症と診断された場合には、自宅で安静にして食事療法の指導されます。塩分は7g以下、タンパク質は適正体重×1gまででカロリーも制限されます。また血圧を抑える薬や子癇発作を予防する薬を服用しながら様子を見ます。
しかし重症の場合には入院し、食事療法や薬物療法で経過観察をしながらできる限り妊娠継続し、赤ちゃんが大きくなるまで待って分娩誘導を行います。ただし母体や胎児に危険を有する場合には、未熟児であっても誘発分娩や帝王切開で出産します。
また治療や入院の場合には健康保険が適用され、自己負担は3割です。自治体によっては妊娠高血圧症候群の入院費用の助成がある所もありますし、金額により高額療養費制度を活用することができます。役所に問い合わせしてみましょう。
妊娠高血圧症候群を予防するには?
妊娠高血圧症候群の予防は自分で意識的にできることもあるので、取り入れてみましょう。
体重の大幅な増加を防ぐ
通常妊娠中の体重増加は10kg以上になりますと、体に負担がかかります。また急激な体重増加も危険なので、気を抜かないようドカ食いはしないようにしましょう。
バランスの取れた食事をする
塩分や糖分の取りすぎに気を付けて、和食中心のバランスの取れた食事をするように心がけます。間食はほどほどに、お菓子ではなく和菓子や果物を少しだけにしましょう。
ストレスはためないようにする
ストレスがたまると血圧が高くなりがちです。体調が良ければマタニティヨガや妊娠中のママが集まるサークルなどに参加して、ストレスを発散させましょう。