黒色は大丈夫!?耳垢が湿っている場合や、色や臭いで原因もわかる病気と対処法

耳垢には、「乾性耳垢」「湿性耳垢」の2タイプがあります。定期的に耳かきをしている人でも、自分の耳垢の色や量についてびっくりすることがあります。そんな耳垢について、少し詳しくお伝えしていきます。

 

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耳垢からわかる病気と原因

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耳垢の状態から推測される病気があります。それは「中耳炎」「外耳炎」「耳垢塞栓」です。それぞれの病気はどのような耳垢からわかるのでしょうか。またどんな原因で発生しているのでしょうか。

中耳炎

「中耳炎(ちゅうじえん)」という言葉をきいた事がある方は多いのではないでしょうか。中耳炎とは、鼓膜の中(奥)に膿がたまる病気で、原因は肺炎球菌やインフルエンザ菌が主です。風邪を引いたときに鼻水が耳管の方に流れていって感染します。

膿がたまって鼓膜が破れる(穴があく)と、膿色(黄色や緑っぽい)の耳垂れが出て来ます。鼓膜が破れていない状態でも、鼓膜が炎症を起こして腫れていると鮮やかな黄色の耳垂れが出ることがあります。

膿で鼓膜が破れるときにはとても痛く、赤ちゃんが突然泣いたり、耳を引っ張るような動作もみられます。耳垂れが見られたら、耳鼻科を受診しましょう。

外耳炎

外耳とは鼓膜の外側、つまり耳の入り口から鼓膜までのことをいいます。ここに炎症がみられるのが「外耳炎」です。

原因は、外耳に出来た傷に真菌(カビ)が付着することで炎症を起こすことです。外耳に傷を作る原因で考えられるのが、耳かきのしすぎです。またヘアスタイリング剤などが入ることで炎症を起こすこともあるので注意が必要です。

症状としては、黄色い耳垂れや痛みがあります。自然治癒する場合もあるようですが、免疫が弱っていると頭蓋骨まで広がる「悪性外耳道炎」となることもあるので、痛み、耳垂れが続くようであれば受診をおすすめします。

耳垢塞栓

「耳垢塞栓」は耳垢をあまり掃除しない人や耳垢がたくさん分泌される人に起こりやすい病気です。字の通り、耳の中で大きな塊の耳垢が出来て耳を塞いでしまいます。こうなると自分では、耳かきをするのは危険です。耳を耳垢が塞いでいるので聞こえにくい状態になっています。

自覚症状はほとんどありません。完全に塞いでしまうと耳の圧迫感を感じられるようです。カチカチに乾燥して塞いでしまっているときは、耳垢水と呼ばれる耳垢をやわらかくする薬を入れて柔らかくしてから取り出します。耳鼻科を受診するとよいでしょう。

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耳垢が湿っている場合

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湿っている耳垢の「湿性耳垢」は、汗の分泌が多く、耳の中も汗をかいています。欧米人の多くが「湿性耳垢」で日本人は10%前後といわれています。湿っていたり、少し粘度があるような場合もあります。

耳垢が湿っているのは病気ではありません。体質です。湿性耳垢の方の耳の中には、アポクリン腺が多くあります。耳かきには、めん棒やリング状になっている耳かきを使うととりやすいでしょう。

湿性耳垢とは反対の「乾性耳垢」があります。乾燥していてカサカサしています。日本人の80~90%がこのタイプです。乾性耳垢の方は、耳かきや粘着性のあるめん棒を使うととりやすいでしょう。

耳垢というより、耳の中が水っぽく感じる場合

水の中に入ってような感じがする、それは「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」かもしれません。鼓膜の奥の中耳に水がたまり「中耳炎」になります。耳鼻科を受診して水を出してもらいましょう。鼓膜を切開して水を出したり、細いチューブを入れて乾燥させたりします。治療にほとんど痛みを感じることはありません。

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耳垢の色・・・黄色、茶色、黒、緑色、鮮やかな黄色

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耳垢の色もセルフチェックの判断基準になります。黄色からクリーム色、白っぽい色の耳垢は、ほとんど問題ありません。乾燥が強くなると茶色に見えることもありますが、こちらも大丈夫です。

赤ちゃんから黒い耳垢が出てきてひっくりされることがあると思います。初めて耳かきをした赤ちゃんに多く見られるのですが、お母さんのお腹にいたときの羊水が残ったものなので大丈夫です。耳を傷つけないようにとってあげてください。

一方、緑色の鼻水のような耳垢(耳垂れ)が出てきた場合、中耳炎や外耳炎が疑われます。早めに受診をおすすめします。また鮮やかな黄色の耳垢(耳垂れ)も中耳炎が疑われます。耳垂れが2~3日続いてなおらないようでしたら、受診をおすすめします。

耳垢があるメリット

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耳かきをして耳垢をとるとスッキリしますが、実は耳垢があることは悪いことではありません。耳垢にも役割があるのです。

耳垢には殺菌効果があること、外気の乾燥から耳の粘膜の乾燥を防げること、虫などの混入を防ぐことが出来ることです。耳垢は、耳の中の分泌液とほこりなどが混ざって出来たものです。耳垢は、酸性といわれており、臭いは虫除けにもなっているそうです。

耳かきと迷走神経

耳かきが癖になっていたり、どうしても耳かきをしないと気がすまないという人がいます。外耳には、迷走神経があり耳かきで刺激されることによって気持ちいいと感じるようです。これが、耳かきをやめられない理由なのかもしれません。また2割程度の人は、迷走神経を刺激すると咳が出るそうです。いずれも刺激しすぎないように気をつけたいです。

 

いかがでしたか。耳垢の色や違いでわかる病気、原因、耳垢のあるメリットまでお伝えいたしました。耳は、耳垢がたまると自然に排出するように出来ていて、耳垢に関して耳掃除は不要という医師もいます。

まずは無理なくセルフチェックをし、心配なことがあれば耳鼻科を受診しましょう。赤ちゃんも耳鼻科を受診できますが、不安なときは事前に電話で確認しましょう。

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