小児麻痺にならないために!副作用の弱いポリオワクチンの予防接種

赤ちゃんが受けなければならない予防接種の中の1つにポリオワクチンがあります。ところでこのポリオワクチンですが、数年前に報道を騒がせたのを覚えていますか?ポリオワクチンの予防接種後に健康被害が報告され、接種を迷った方もいるのではないでしょうか。それからポリオワクチンの予防接種も変化を遂げ今に至ります。ここではポリオワクチンについて解説していきます。

 

スポンサードリンク

ポリオとは?ワクチンの予防接種ってどういうもの?

A0531

ポリオとはエンテロウイルス属に分類されるポリオウイルスが腸に侵入し感染すると、そこで増殖をしていく感染症です。ウイルスが脊髄に侵入してしまうと手足の麻痺を引き起こすこともある怖い病気です。

かつて日本では人から人に移る経口感染により感染が広がり多くの小児麻痺患者を出しましたが、1970年以降30年以上もの間野生のポリオウイルスによる感染者は出ていません。

それは日本でポリオの経口生ワクチンの予防接種を受けるようになった結果です。定期接種となっているので、無料で受けられるのが一番接種率を上げた理由でしょう。

しかしワクチンの予防接種が行われていない発展途上国ではまだ感染の報告例があり、ポリオウイルスが消えたわけではありません。日本でもワクチンの予防接種を受けなければ、また感染者が出てくることが予想されます。

スポンサードリンク

生ワクチン、不活化ワクチン、経口生ワクチンって何?

A6486

予防接種には生ワクチンと不活化ワクチンに分けられます。以下にどういったものなのかをワクチンの予防接種名を挙げて解説しましょう。

生ワクチンとは?

生ワクチンは生きているウイルスや細菌の病原性を弱めてワクチンとしたものです。接種したウイルスや細菌は体内で増殖し、実際にその病気にかかったのと同様に免疫がつきます。なお十分に免疫がつくには1ヶ月程かかりますが、何度も受けなくとも効果が得られるので費用が安く済みます。主な生ワクチンにはBCG、MR、おたふく風邪、水疱瘡があります。

不活化ワクチンとは?

不活化ワクチンはウイルスや細菌の病原性を完全に殺して、免疫をつけるための成分だけを取り出してワクチンとしたものです。通常決められた間隔で2、3回の接種をし最低限の免疫をつけた後、追加接種をすることで十分に免疫をつける方法がとられます。主な不活化ワクチンには三種混合、四種混合、ヒブ、肺炎球菌、インフルエンザなどがあります。

経口生ワクチン

生ワクチンと同じようにウイルスや細菌の病原性を弱めたワクチンを注射ではなく口から接種するものです。主な経口生ワクチンはロタウィルスがあります。以前ポリオも経口生ワクチンだった時もありましたが、健康被害が問題となったために現在では不活化ワクチンとなり四種混合に含まれています。

スポンサードリンク

接種の時期や回数は?

A2253

以前経口生ワクチンだったポリオワクチンは、2012年9月から単独注射の不活化ワクチンとなりました。その後11月からは三種混合にポリオの不活化ワクチンを一緒にした四種混合が導入されました。

このように変更した経過があるので、接種途中である場合にはスケジュールが大きく変わってきます。必ず確認して接種漏れがないようにしましょう。

 

経口生ワクチン、不活化ワクチン、三種混合のどれか1つ受けている場合は、まず単独でポリオの不活化ワクチンを受けます。その後四種混合と合わせて受けるか、単独で不活化ワクチンを受けるかはかかりつけの病院と相談となりますが、ポリオの接種回数が合計4回となるよう調整しましょう。

なお、経口生ワクチンを2回受けている場合は完了となります。

副作用はあるの?

A3385

経口生ワクチンだった時は腸内で病原性を弱めたウイルスを増殖させるために、数十万から百万接種につき1回の頻度で手足に麻痺が残る可能性がありました。

一方、不活化ワクチンは完全に病原性を無くしているために、麻痺が残る可能性はなくなりました。またポリオの不活化ワクチンの一般的な副作用としては、接種部位の腫れや発熱が起こることがありますが、2、3日程度で消失するでしょう。

スポンサードリンク
サブコンテンツ

このページの先頭へ