リングや体操が効果的!子宮脱の症状とおもな原因と予防策
子宮脱というのを聞いたことがありますか?なんだかちょっと怖そうな感じがしますよね。子宮脱というのは、子宮が膣の方に下がってきたり、膣の外に飛び出してしまう症状の事です。
体の中の臓器がでてくるなんて、想像しただけでも恐ろしく、命に関わるような気がしてしまいますよね。ですが、命にかかわるようなものでもありませんし、産後の女性や更年期以降の女性に多くみられる症状なのです。
子宮脱とはどういうものなのか、その原因と症状や治療についてご紹介させていただきます。また、手術が必要なのか、どんな手術を行うのか、予防する方法なども併せてご紹介させていただきます。
この記事の見出し
子宮脱とは?
子宮脱とは、子宮が膣へと下がる子宮下垂を経て、膣から外へ飛び出してしまった状態の事です。出産後の女性や更年期以降の女性に多くみられるものですが、症状が症状なだけに、恥ずかしいという理由から、病院に行かない方も多いようです。命に関わらないものなので、行かないという方もいるようです。
子宮脱の原因
骨盤の中にある臓器を支えている「骨盤底筋群」の筋力が弱くなったり、傷ついたり緩んだりすることが原因だとされています。
- 高齢出産した人
- 3500g以上の赤ちゃんを出産したことがある人
- 3人以上出産している人
- 肥満の人
- 便秘の為日常的に強くいきんでいる人
これらに当てはまる方は、子宮脱のリスクが高くなります。
子宮脱の症状
子宮が膣の外に飛び出てきてしまうと、膣の中に異物感や不快感を感じるようになります。また、重い物を持ったり、お腹に力を入れたりすると、子宮が飛び出てくるのがわかるという方もいらっしゃいます。子宮脱が進むと、子宮が出ている状態になるので、その部分が下着などにすれて出血したり、炎症を起こすことがあります。感染症などもおこしやすくなってしまいます。
子宮脱が悪化することで、
- 歩行困難
- 排尿障害
- 排便障害
- 膀胱炎
- 腎臓疾患
- 性交痛
などの症状を引き起こす可能性があります。命にかかわる病気ではありませんが、放置すると確実に悪化し、日常生活に支障をきたしてしまいます。子宮脱の症状がでたら、少しでも早く婦人科を受診するようにしましょう。
子宮脱の治療法
子宮脱も初期症状の場合は、緩んでしまっている骨盤底筋を鍛えることで症状が改善されることがあります。ですが、症状が進行してしまっている場合は、病院での治療が必要になります。
一般的な治療法として「ペッサリー」というリング状の器具を膣内に入れて、子宮がこの器具に引っかかって下に下がってこないようにするという方法です。ですが、これはあくまでも子宮が下がってこないように器具で支えているだけですので、根本的な治療法とは言えません。
また、このペッサリーを使うことで、おりものが増えてしまったり、膣がこの器具に圧迫されてただれてしまったり、出血する可能性もあります。器具を挿入した後は、定期的に診察を受けなければいけません。
子宮脱の手術について
子宮脱の治療法については、先ほどご紹介させていただいたペッサリーの他に、手術をするという方法があります。どちらを選択するかは、症状によりますが、ペッサリーと違い、手術をすることで、一時的なものとは違って、症状を改善することができます。
今までの手術では、下がってきてしまった子宮を全摘出し、伸びた膣の一部分を切って縫い縮めていました。簡単な手術なので、開腹もせず、1時間半~2時間程度でおわります。ただ、この手術だと、子宮を全摘出してしまいます。
最近新たな手術法が用いられるようになりました。子宮などの臓器が飛び出さないように専用のメッシュで臓器を支える力を補強するというものです。この方法なら、子宮を温存することができ、膣を切除することもありません。再発の可能性も極めて低くなります。
手術費用や入院期間は、個人の症状や回復の度合いによって異なりますが、だいたい10日~2週間程度の入院で、費用は25~30万円程度になります。
子宮脱を予防するには?
子宮脱を予防するには、骨盤内の臓器を支えている「骨盤底筋」を鍛える体操を行います。子宮が膣内に下がってきている軽度の子宮下垂や子宮脱を予防するのに、効果があります。
立っている時にできる体操
1.机などの側にたち、足を肩幅に開きます。
2.腕を伸ばして机につけ、体重を全て腕に乗せます。
3.背筋を伸ばしながら顔をあげ、肩とお腹の力を抜き、膣と肛門を締めます。
ちょっとした仕事や家事の合間にできる体操になっています。
座っている時にできる体操
1.背筋を伸ばして椅子にすわり、足は肩幅に開きしっかりと床に付けます。
2.お腹に力はいれずに、膣と肛門をゆっくりと締めます。
座っていればどこででもできる体操です。
骨盤底筋を鍛える体操動画
女性にとって、骨盤底筋を鍛えることはとても大切です。産褥体操にも組み込まれていることからみても、産後はしっかりと体操をして鍛えておかないと、後々子宮脱に悩まされることになってしまいます。
ちょっとした合間でもできる体操もご紹介させていただきましたので、是非試してみてくださいね。