副鼻腔炎で自然治癒は可能?喉や頭痛の症状がひどい場合の治し方

鼻の周辺にある、四つの空洞で炎症を起こしたら、副鼻腔炎という病気です。正式名称ではありませんが、蓄膿症と言われれば分かる人も多いでしょう。蓄膿症は副鼻腔炎が慢性化した状態です。一時的な炎症は、急性副鼻腔炎と呼ばれます。

副鼻腔炎について、症状や原因、治療法を見たうえで、自然治癒が可能か、ご紹介します。

 

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副鼻腔炎の症状と原因

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副鼻腔が炎症を起こすと、鼻呼吸が出来なくなり、寝ている間、いびきをかくようになります。咳が出てのどが痛む、喉が枯れやすい、扁桃腺がよく腫れる、といった症状があります。朝起きると喉が渇いています。ゆっくり眠れないので、集中力が低下し、疲れやすくなります。頭痛があります。

特に上顎洞、篩骨洞、前頭洞の三つの部分で炎症が起きると、顔面に痛みを感じるようになります。鼻水や痰が黄や緑色になって、いやなにおいもあります。痰は気管支炎喘息を招く恐れもあります。

副鼻腔炎には、急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎、公算急性副鼻腔炎、副鼻腔炎真菌症の四つの種類があります。それぞれの症状と原因をあげました。

急性副鼻腔炎

症状は、鼻づまりがあり、鼻水も風邪より濃い色になります。黄色、緑色などになり、いやなにおいもあります。頭痛がします。空洞は左右両方あり、片方だけで炎症が起きるケースも多く、その場合片側のみが痛みます。痰が絡みます。痰も鼻水と同様、濃い色でにおいがあります。

原因は、風邪から始まることが多いです。アレルギー性鼻炎の人もなりやすいです。ウィルスや菌、花粉やホコリなどの異物が入ると、鼻水がそれを押しとどめようと出ます。また、鼻水を出そうと粘膜も膨張します。

これらによって鼻づまりを起こし、鼻腔がふさがれ、副鼻腔で炎症が起きやすくなります。副鼻腔も粘膜で覆われており、鼻と同じような状態が起きます。副鼻腔にもウィルスや菌が入ると、これを倒そうと戦った白血球やウィルスの残骸が膿となってたまってしまいます。

慢性副鼻腔炎

副鼻腔炎が三か月以上続くものを指します。鼻水の色は黄色か緑色で、痰も同じようになり、腐ったような匂いがあります。眠れない状態が長く続くので、疲労感があります。いびきをかき、口の中が乾燥します。口呼吸になると唾液の分泌が少なくなるので、食べかすが消化できないで口臭もします。頭痛は、鈍く重いものになります。

原因は、風邪やアレルギー性鼻炎で急性副鼻炎にかかったまま、改善しないことにあります。

好酸球性副鼻腔炎

鼻の中に水ぶくれしたポリープが出来ます。どちらの鼻の中にも出来ます。多数出来ることも多いです。初期のころから鼻づまりがひどく、嗅覚も落ちやすいです。目頭のそばにある篩骨洞で炎症を起こすことが多いです。

好酸球とは、白血球の一種で、血液や痰、鼻水の中に見られます。アレルギーのある人は好酸球が多く、好酸球から分泌されるタンパクが、気管支を傷つけ、気管支炎喘息を発症するケースが多いです。好酸球副鼻腔炎にかかった人は、好酸球の値が高く、喘息も併発しているケースが多いです。

まだはっきりした原因は解明されていませんが、自身の持つ好酸球が何らかの原因で鼻粘膜で増殖し、ポリープが出来てしまいます。

真菌性副鼻腔炎

片方の目の周りや頬に痛みがある、臭いにおいをいつも感じる、といった症状があります。上顎洞の片側に炎症が起きることが多く、片方の鼻から粘度の高い鼻汁、鼻血が出ます。カビが、副鼻腔の中で増殖し、強い炎症を引き起こします。

カビはアスペルギルス、カンジダ、ムコールといった種類があり、アスペルギルスの一部、ムコールは周りの骨を溶かす強いものです。眼球や脳に近い部分なので、これらのカビの場合は視力の低下、脳炎や髄膜炎を起こすこともあり、注意が必要です。

【1-2】治療法

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四つ、それぞれの副鼻腔炎に対する治療方法や治療期間をあげます。

急性副鼻腔炎

抗生物質の飲み薬を2週間ほど服用します。耳鼻科では鼻水を器械で吸引します。ネブライザー治療を行うためには、

まず、鼻腔と副鼻腔をつなげている自然孔が塞がっているので、開くために霧状の血管収縮薬を吸い込みます。次に抗菌薬を霧状にして吸い込む、ネブライザーを行います。ネブライザーで粒子を細かくすることで、副鼻腔まで薬が届きます。

ネブライザーの薬としては、ベストロンやリンデロン、ゲンタシンなどが用いられます。家庭用のネブライザーもありますが、家庭用は生理用食塩水なので、鼻の中をきれいにし、保湿することは出来ますが、炎症を抑えることは出来ません。

ネブライザーの治療は、数週間はかかります。三割負担の保険が適用される場合、一回当たり100円以下になります。上顎洞の場合は、穿刺洗浄が行われるケースも昔は多かったようです。今は、ネブライザーが主流です。

穿刺洗浄は、下鼻道から上顎洞に器具を通し、生理用食塩水で洗浄し、膿を出してから薬液を注入する方法です。ネブライザーではどうしても効果が得られない場合に用いられます。

慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎の場合も、急性副鼻炎のように、内服薬、吸引、ネブライザー治療がとられます。内服するのは抗生物質です。マクロライド系を、少量で三か月ほど、内服します。マクロライド系の薬は、殺菌するのでなく、細菌のタンパク質の合成を阻み、増殖を抑えるのを目的としています。

慢性副鼻腔炎では、手術をすることもあります。鼻の孔から内視鏡と鉗子を使って篩骨洞を開き、上顎洞、前頭洞と開いていきます。入院期間は、軽症の場合は日帰りもあり、両側の場合、10~12日かかる場合もあります。

手術費は入院一週間の場合、高額医療費制度を適用すれば、10万円ほどの負担になります。適用しない場合は30万円ほどかかります。高額医療費制度は、70歳未満の人が、同一月に高額医療を受けた場合に、適用されます。制度を考慮して、手術の日程を決めることをおすすめします。

好酸球菌性副鼻腔炎

ポリープに対して切除術が行われます。こちらは、最新のサージトロンであれば痛みを感じないで済むので、注射も必要なく、簡単に切除出来ます。サージトロンとは、高周波で切開や凝固などが出来るメスです。

慢性副鼻腔炎で紹介した、マクロライド系の内服薬が処方されます。また、抗ロイコトリエン薬も処方されます。これは、気管支の筋肉を緩めたり、白血球好酸球を抑制する作用があります。ステロイド薬を霧状にしたものを、鼻から吸い込みます。

これらの薬を三か月使って治療してもよくならない場合、手術をします。手術は慢性副鼻腔炎で紹介した、内視鏡手術です。痛んだ粘膜の切除、好酸球性ムチン(ねばねばしたものがたまった部分)を取り除きます。

真菌性副鼻腔炎

抗生物質の内服や点滴では治りにくいため、手術が行われることが多いです。内視鏡手術で菌の塊と炎症の強い粘膜を取り除きます。内視鏡で取り切れない場合は、歯茎の上を切って、顔面の骨を開けて手術することもあります。

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自然治癒は可能?

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風邪から急性副鼻腔炎にかかるケースが多く、免疫力があれば気が付かない間に自然に治っていることもあります。日ごろから、適度な運動、栄養バランスの良い食事、睡眠を夜にしっかりとることを心掛け、体力をつけておくことが大切です。

また、副鼻腔炎は周囲の人にうつるということはありません。ただ、風邪が発端の場合が多く、風邪自体はうつるので、その結果、周辺の人が副鼻腔炎になってしまうこともあります。

もしも、急性副鼻腔炎にかかった場合、治るだろうと看過してしまうと、慢性副鼻腔炎になってしまうこともあります。

 

また、アレルギー性鼻炎や気管支喘息と副鼻腔炎が重なると、炎症を起こす期間が長引くため、自然治癒は難しくなります。

副鼻腔炎には、抗生物質の他に、漢方薬で「葛根湯加川きゅう辛夷」が処方されることがあります。市販薬でもあり、処方箋がなくても入手可能です。鼻づまりを改善する効果があります。胃腸の弱い人、発汗の良い人、心臓の弱い人には不向きな薬です。

ただ、副鼻腔炎はひどくなると手術が必要になる病気です。早めに診察を受けて、抗生物質なども併用して慢性化する前に治すことをおすすめします。

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