小児の診断基準は?ネフローゼ症候群が起こる原因と食事療法などの治療法

ネフローゼ症候群とは成人で発症する病気と思っていませんか?実は成人のネフローゼ症候群とは異なる病症の小児ネフローゼ症候群という病気があるのです。あまり馴染みのない小児ネフローゼ症候群ですが、どのような病気なのでしょうか?診断基準や原因、治療法などについて解説していきましょう。

 

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小児ネフローゼ症候群とは?

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小児で起こるネフローゼ症候群は微小変化型によるものが多いようです。微小変化型は原因不明で、腎臓には異常は見られません。日本での小児ネフローゼ症候群の患者は年間1300人程で、10万分の5人の割合で発症しています。発症メカニズムは未だ解明されていませんが、男の子の方が発症しやすく3~6歳の間で多くなります。

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診断基準は?

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小児ネフローゼ症候群の診断基準を以下にご紹介します。複数の項目がありますが、1つだけ当てはまった時に必ずしもネフローゼ症候群と診断されるわけではありません。判断基準の参考程度にとどめておきましょう。

●タンパク尿の量

1日のうちで3.5g以上ないし子の体重1kgにつき0.1g以上のタンパク尿が見られた場合。または朝起きてすぐの尿で100mlにつき300mg以上のタンパク尿を持続して3日以上みとめた場合。

●低タンパク血症

血液中の総タンパク量が児童、幼児で100ml中6g以下の場合、乳児では100ml中5.5g以下の場合。

●高脂血症

血液中の総コレステロール値が学童では100ml中250mg以上、幼児で100ml中220mg以上、乳児では100ml中200mg以上の場合。

●浮腫み

ネフローゼ症候群では特徴的な症状とされ、浮腫みがあると診断がより確実です。まぶたが浮腫んだり、重症の場合は全身に浮腫みが出ます。

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小児ネフローゼ症候群の治療法

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治療は基本的に入院し、薬物療法と食事療法を中心に行います。以下に治療法の詳しい内容を解説します。

●薬物療法

小児ネフローゼ症候群の薬物療法では、基本的にステロイド薬が使われます。小児に多発する微小変化型では、ステロイド薬の効果がとても高いとされています。しかしその一方で副作用や再発が問題となります。

●食事療法

食事の塩分や水分は浮腫みや高血圧が見られる場合のみに制限食となります。浮腫みが全身に見られるほどの重症である場合、塩分制限食と尿量を多くする利尿剤を服用することもあります。また成人のネフローゼ症候群ではタンパク質を制限した食事になりますが、小児では成長の妨げになるため腎機能にレベルに合わせて慎重に調節します。

小児ネフローゼ症候群の注意点

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小児ネフローゼ症候群の薬物療法ではステロイド薬を使いますが、ステロイドは骨折しやすくなったり感染症にかかりやすくなる問題点もあります。治療中は激しい運動は控え、感染症にかかりやすい環境を作らないなどの注意が必要です。

またステロイド薬服用による快復は良好とされていますが、7割以上の高い確率で再発を繰り返すこともあります。その結果ステロイド依存にもなりやすくなる問題点が考えられます。

 

初めてネフローゼ症候群を発症した際には入院が基本ですが、再発した場合には通院治療で行うことも多いようです。さらに少数ではありますが、ステロイドを4週間以上継続的に使い続けても効果が見られないステロイド抵抗性の患者もいます。そのような場合には免疫抑制剤で対処し様子を見ることになり、それで改善すれば予後は安心です。

ただしそれでも改善が見られないと腎不全に進行する可能性もあり、危険な状態になります。最終手段で腎臓移植も視野にいれなければならないでしょう。

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