肺炎球菌との同時接種は大丈夫?ヒブワクチン予防接種の効果と副作用
初めての赤ちゃんをもつママにとって、予防接種の多さに驚くことでしょう。赤ちゃんが生まれて最初に受ける予防接種はヒブワクチンですが、どういうワクチンか知っていますか?ここではヒブワクチンについての気になるポイントを解説していきましょう。
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ヒブワクチンとは?
赤ちゃんが予防接種を受ける理由は病気に対しての免疫が弱いので、ワクチンによって感染や重症化を防ぐことにあります。中でも一番最初に受ける予防接種がヒブワクチン。ヒブ(ヘモウィルス・インフルエンザ菌b型)ウィルスからの抗体をつけるためです。
ヒブウィルスに感染すると、赤ちゃんは重症化しやすく稀に細菌性髄膜炎という怖い病気になってしまう危険性があります。そのために予防接種で赤ちゃんを守ってあげないといけません。ヒブワクチンは髄膜炎予防には効果絶大なのです。
ヒブワクチンの驚きの成分!
赤ちゃんに打つワクチンの成分は気になるところですよね。
ヒブワクチンは全て輸入品なのですが、その驚きの中身は牛の血液や肺、肝臓、筋肉由来成分です。牛の成分だなんて赤ちゃんに打って大丈夫?と不安になりますが、現時点で狂牛病(BSE)の発症ケースはありません。
さらにヒブウィルスに感染したら後遺症の危険性もある髄膜炎を予防する手は、予防接種の他にはないのです。赤ちゃんの命を守るためにもヒブワクチンは受けるべきでしょう。
ヒブは肺炎球菌と同時接種しても大丈夫?副作用は?
肺炎球菌はヒブと同様、最初の段階で受けるべき予防接種とされ待望の無料化となりました。ところが数年前にヒブと肺炎球菌の同時接種後に死亡報道が相次ぎました。実際のところはどうなのでしょうか?副作用と合わせてポイントを解説してみましょう。
ヒブワクチンの副作用
ヒブワクチン接種後の副作用は接種部位の腫れや痛み、発熱程度で、稀にアナフィラキシーショックなどの重い副作用が出ることもありますが、他の予防接種と変わりはありません。これは肺炎球菌のワクチンでも同じです。また2つ同時接種による重い副作用や死亡との因果関係は認められていません。
赤ちゃんの突然死
赤ちゃんの突然死(乳幼児突然死症候群:SIDS)は、健康に問題のない赤ちゃんがある日突然死亡するケースを言います。うつ伏せ寝や呼吸器の未熟さが原因と考えられています。そしてこの赤ちゃんの突然死ですが、年間で150人も亡くなっているのです。想像以上の数に驚いたのではないでしょうか。
同時接種と突然死の関連性
ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンを同時接種した後に死亡するケースがありましたが、副作用ではなく突然死の「紛れ込み」だと言われています。突然死の症例数を見ても、同時接種後の数日以内に亡くなることは計算上間違ってはいません。ですから恐れられてきた同時接種による死亡ではなく、避けることができない突然死の「紛れ込み」だったわけです。
同時接種がオススメ
昔に比べると赤ちゃんが受けなければならない予防接種の種類や回数は大幅に増えています。ヒブワクチンだけでも生後2ヶ月から始まり、追加を含めて合計4回も接種しなければなりません。
全て個別に定期接種期間のうちに受けるとなると、不可能に近いハードスケジュールになりますし、赤ちゃんにも負担になります。スムーズに進めていくためにも、スケジュールが組みやすい肺炎球菌ワクチンとの同時接種が推奨されているのです。
受け忘れた予防接種、どうすればいい?
定期接種の予防接種を受け忘れてしまったけど、どうすればいいか不安に思う方もいるかもしれませんね。ヒブワクチンの場合は生後2ヶ月から5歳未満で4回受けるように定期接種で決められています。
なぜ上限が決められているのかというと、ヒブは5歳までに自然と免疫がついているからなのです。ですからヒブワクチンを忘れて定期接種期間を過ぎてしまった場合は受ける必要がなくなります。
とは言ってもヒブウィルス感染による髄膜炎発症を予防するには、定期接種期間内で受けることが一番でしょう。