赤ちゃんが急に嘔吐!大量の噴水が起こる前に確認したい原因と対処法
初めての赤ちゃんの子育てをされている方にとって、一番驚くのが嘔吐ではないでしょうか?大人が嘔吐することは頻繁にありませんから、何か重大な病気なのかパニックになってしまうかもしれませんね。赤ちゃんは泣くことでしか伝えられないので、赤ちゃんの様子を観察し判断することが大切です。
そこで赤ちゃんの心配がいらない嘔吐と緊急を有する嘔吐について、原因とその対処法をご紹介しましょう。
この記事の見出し
赤ちゃんの胃の形状は吐きやすい
原因
まず知っておきたいのが、大人の胃の形が「J」のようにカーブをしているのに対して、赤ちゃんの胃の形は「とっくり型」であるということです。そして胃の筋肉が発達していないので、飲んだものが逆流しやすくなります。
つまり赤ちゃんは胃の形状や発達途中という理由から吐きやすいということを理解しましょう。嘔吐した後機嫌や顔色がよく、下痢や発熱もなく、一日平均30g程度体重が増えていればまったく問題ありません。
対処法
母乳やミルクを飲んだ後は背中をトントンしてゲップをさせ、しばらく縦抱きしたりして激しい動きはしないようにします。また寝かせる場合は上半身にタオルやクッションを入れて高さ調節してあげると、吐きづらくなります。成長と共に次第に吐かなくなっていくので、気長に待ちましょう。
緊急を有する嘔吐について
赤ちゃんによくある心配がいらない嘔吐に対して、普段と様子が違う場合病気の可能性もあります。以下に考えられる原因とそれぞれの対処法について挙げていきます。
肥厚性幽門狭窄症
胃に入ったものが十二指腸に出ずに逆流してしまうので、母乳やミルクを飲むたびに噴水のように大量に吐きます。3週間前後の赤ちゃんに発症しやすいようです。放っておくと体重減少または栄養不良になってしまうので、小児科を受診し指示を仰ぎましょう。
先天性噴門弛緩症
生まれつき胃の噴門部が緩く、逆流しやすい状態です。成長とともに症状は改善されていきますが、対処法としては少量で頻回授乳することで調節するといいでしょう。それでも体重増加がみられない場合は小児科で相談しましょう。
感染性胃腸炎
嘔吐や下痢がみられる場合、ロタウイルスやノロウイルスなどの感染性胃腸炎の可能性があります。ロタウイルスは白色の下痢をすることが特徴的で、ノロウイルスは一日に何度も繰り返す嘔吐から始まり、下痢へと症状が変わっていく傾向にあります。この場合ウイルスや菌が完全に排出されるまで薬で止めないようにすることが、症状を長引かせないポイントです。
ただし赤ちゃんは体が小さいので、脱水を起こしやすく急激に症状が悪化することがあります。赤ちゃん用のイオン飲料をスプーンで少しずつ飲ませ、少しでも気になる場合はすぐに小児科を受診しましょう。
髄膜炎や脳炎
発熱を伴う感染症を起こした後、合併症として挙げられるのが髄膜炎や脳炎です。嘔吐と共に高熱、意識障害、痙攣を起こすこともあり注意が必要です。髄膜炎や脳炎は頭痛があってひどく泣いたり機嫌が悪いので、注意深く観察しましょう。場合によっては救急車を呼ぶことも視野に入れてください。
腸重積
腸の一部がねじれたりもぐりこんでしまう原因不明の病気です。発症から24時間以内であれば大事には至りませんが、何もしないでいると腸が壊死したり最悪の場合死亡することもあります。機嫌が悪く嘔吐や血便が見られたら腸重積の可能性が高いので、救急車を呼ぶか早急に大きな病院にかかりましょう。
嘔吐物の色で分かることとは?
白っぽくヨーグルト状
胃に入ったものをすぐに嘔吐したと考えられます。
黄色、薄い黄色
胃に入ってからしばらくして胃酸と共に嘔吐したと考えられます。酸っぱい臭いがします。
茶褐色
胆汁と一緒に逆流したものを嘔吐したと考えられます。リンゴのカスのようなものが混ざったりすることもあり、臭いは腐ったような異臭がします。
一概にどの色が心配いらないとか危険とは言えませんが、普段の赤ちゃんの様子を一番知っている親の直感が大事です。初めてで分からなくて当たり前ですから、こんなことでと思わずにちょっと気になることがあれば病院を受診しましょう。