菌の感染経路は?破傷風の治療を遅らせる見つけにくい初期症状
破傷風がどんな感染症なのかということを知らない方が多いようです。子供の予防接種が定期化されたこともあり、今ではあまり流行することもなくなりました。ですが、致死率10%以上というとても恐ろしい感染症なのです。
流行しないとはいえ、国内でも毎年患者がでています。また、成人の方で、海外へ渡航する際には、できるだけ追加で予防接種をしておく方がよいともされています。
破傷風とはいったいどのようなものなのか、初期症状やその後の症状、治療方法などについてご紹介させていただきます。また、潜伏期間や感染経路などについてもご紹介させていただきます。
破傷風とは?
破傷風は非常に致死率の高い感染症の一つです。土の中の破傷風菌という細菌が、擦り傷や切り傷などの傷口から体内にはいってしまうことで、破傷風になってしまいます。破傷風菌は土の中に生息しているので、日本全国どこにでもいるといっても過言ではありません。
子供はすぐに擦り傷などを作り、破傷風菌に感染するリスクが高いこともあり、生後3カ月からの予防接種が定期化されています。ただ、子供の頃に予防接種を受けていても、大人になる頃には免疫もへってきていますので、追加で接種しておくことが必要になります。
予防接種の定期化によって、現在では破傷風患者もかなり減少しましたが、ゼロではありません。毎年国内でも50~100人程度の方が破傷風にかかっています。発症してからの治療はかなり難しいものになるので、お年寄りの方などは重症化しやすい傾向にあります。
破傷風は、次の4種類に分けることができます。
- 全身性破傷風
- 限局性破傷風
- 頭部破傷風
- 新生児破傷風
破傷風の症状や治療法について
破傷風の症状とは
破傷風菌が体内で毒素をだしていくと、少しずつ神経系統を侵し始めます。まず、初期症状としては、肩コリや全身の倦怠感、顔の歪みや舌のもつれなどがあげられます。どれをとってみても、自分が破傷風菌に侵されているということに気づくのは難しいのではないでしょうか。
症状が進行していくと、次は口が開きにくくなる開口障害が出始めます。歯が噛み合った状態で開けることが困難なので、食事ができなくなってしまいます。
また、寝汗や歯ぎしり、発語障害や歩行障害などといった症状が現れてきます。こうなってくると、明らかに体の異常を自覚できるので、病院で破傷風を診断されるケースがおおいそうです。診断されるとすぐに入院となり、集中治療室に入ることになります。
そのあと症状が進行すると、全身の筋肉にけいれんが起こり、最悪の場合は死に至るケースもあります。
破傷風の治療法
破傷風は非常に致死率が高いので、診断されたら即座に集中治療室で治療がスタートします。破傷風菌を殺す為の抗生剤の投与や、毒素を分解するトキソイドを注射したりします。
初期段階であっても、完治までには時間がかかりますので、それだけ費用もかかることになります。子供の場合は乳幼児医療証があれば、負担は少なくてすみますが、成人の場合は、それなりに医療費がかかってしまうことになります。
潜伏期間や感染経路について
潜伏期間はどれくらい?
破傷風菌に感染してから発症するまでの潜伏期間は、2日から8週間です。かなり幅があるので、初期症状で自覚しにくい破傷風は、体内では確実に毒素が広がって言っています。感染から発症までの時間が短ければ短い程、死亡する確率は高くなるとされています。
感染してから発症するまでに治療してもらうことがとても大切です。できるだけ早く治療を始めることで、完治までに時間がかかっても、最悪な結果は回避することができる感染症です。
感染経路について
破傷風菌は、土屋泥の中に生息していて、擦り傷や切り傷の傷口から体内に侵入します。深い傷から感染することが多いのですが、稀に、1㎝以下の浅い傷口からでも感染することもあります。古い釘や木片などを踏んで深く刺さってしまった場合などは非常に危険です。
他にも、熱傷やピアスなどによってできた傷や、分娩した時の臍帯処理が不適切だったために、新生児が感染してしまう新生児破傷風などもあります。
破傷風は、初期症状の段階ではほとんどん方が破傷風とわからないケースが多く、診断が確定した時点では、かなり症状が進行してしまっています。予防接種を受けるだけで、予防することができるので、お子様だけでなく、パパやママも一緒に受けることをおすすめします。