薬にアスピリンは要注意!原因物質を抑えて喘息の咳や発作の症状を止める方法
喘息とは、気管支喘息のことで、気道が何らかの原因によって収縮し気道閉塞になることです。大人になってから突然なることもあります。喘息の発作が起こるメカニズムと治療法をお伝えしていきます。
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喘息とは?
喘息とは、気道の炎症が慢性的に起こっている状態をいいます。慢性的なので、とあるきっかけが発作の引き金になります。発作が起きた気道は、痰が増えたり、気道の粘膜がむくんだり、気道の筋肉が縮んだりします。そして気道が細くなり、呼吸ができ難い状態になるのです。
喘息には、アレルギーが原因となっているものとそうでないものがあります。現在日本の喘息患者数は450万人以上で、大人になってから発症する成人喘息の患者も増加傾向にあります。
小児喘息
小児喘息の70%以上がアレルギーが原因となっており、遺伝的要素や妊婦の喫煙なども発症の一端になっているといわれています。また、小児喘息患者数は男子が多いです。これは幼稚園児から高校生まで通して言えることで、詳しい要因は不明ですがホルモンの違いとも言われています。
喘息の症状
喘息の主な症状としては、喉がヒューヒューとなる喘鳴(ぜんめい)や空咳(からせき)が代表的ですが、その他にも、呼吸困難、胸の痛み、急に動けなくなったり、発作性の激しい咳や痰が増えること、息切れや動悸といった様々な症状があります。最近は、咳喘息(咳だけの喘息)も多くなってきています。
発作の起こりやすい状態と時間
喘息には、起こりやすい状態や時間帯があります。起こりやすい状態は、季節の変わり目や天気がよくない時、台風などの天気が変わりやすいとき、疲れているときや風邪などで体調不良のときなどです。
また時間帯は、夜間から早朝にかけてが起こりやすいので、お子さんの様子がいつもと少し違うときは添い寝などしてみてあげるとよいでしょう。また発作の引き金には、タバコの煙りやお線香の煙などがなることもあり、注意が必要です。安易に近づかないことが懸命でしょう。
喘息の原因と様々な誘因での発作
喘息になる原因は、色々な説がありますが現在でも解明されていません。アレルギー現象の原因物質である免疫グロブリンE(IgE)の免疫不全という考えもあるようです。
アレルギーによる喘息発作
ダニがアレルゲンになっているものが大半をしめていて、その他にはちり、埃などのハウスダストやペットのフケや毛、花粉、カビがあります。アレルゲンが特定されている場合は、その原因物質を取り除くことがきわめて重要になってきます。
ダニは布団に多いのが特徴です。防ダニ布団などを使用するのもよい方法です。ハウスダストが原因の場合は、掃除やカーペットを取り除くことも効果的です。ペットが原因になっている場合は、ペットを清潔に保つことが有効です。
運動による喘息発作
運動による発作は特に子供に多く、アレルギーでは喘息が起きない場合にもなることがあります。
急激な運動で気道の水分が減少することが原因となり、5分から10分程でヒューヒューと喉が鳴ったり、息苦しくなるなどの症状があらわれてきます。通常であれば20分程度で元にもどるのですが、これが元に戻らずに発作に移行します。
比較的動きが激しくない運動や時々休憩をとる運動では、発作症状が出にくいです。運動による発作は、ウォーミングアップをしたり、マスクをつけるなど予防方法もあります。また運動前に、吸入薬を使用することも効果的です。医師とよく相談して使用しましょう。
アスピリンによる喘息発作
アスピリンは、解熱鎮痛剤に使われているアセチルサリチル酸です。他のアレルギー要因がなくても、アスピリンには激しく反応し、気管支喘息やじんましんなどを引き起こします。ひどい状態になるとアナフィラキシーショック状態になることもあります。アスピリンは、非アレルギーなので詳しい検査が必要です。市販の解熱剤で不安な症状が出た場合は、早めに受信しましょう。
その他の誘因での喘息発作
たばこやお線香の煙などの刺激や強いストレスなどで発作になるときもあります。なるべく誘因物質には近づかないようにしましょう。
薬や治療法について
喘息の薬や治療法は、検査や症状で重症度によって分けられます。軽症間欠型、軽症持続型、中東症持続型、重症持続型にわけられ、治療していくことになります。この喘息ガイドライン(JGL)は日本独自によるものです。
例えば、軽症持続型は低容量の吸入ステロイドと配合薬を組み合わせて使用します。
以前は、筋肉の収縮をとることを目的としていましたが、最近では炎症を抑えることを目的とした副作用の少ない吸入ステロイドが使われるようになりました。
重症度に応じて使用する薬を変えて、長期的に治療していきます。また発作時は、すみやかに気管を広げるためにどの症状においてもB刺激薬を使います。
喘息の治療のゴールは、普通の生活をおくれることです。小児喘息は思春期までに60%以上が完解、治癒できます。
成人喘息でもコントロールをすれば、発作を抑えることができます。喘息の症状を放っておくと悪化し、入院や最悪の場合ということもありえます。気づいたら早目の受診を心がけましょう。