急な発作や咳の治療法は?小児喘息の原因がわかると対処しやすい
風邪かなと思って様子を見ていたら、実は喘息の発作だったということがあります。初めての喘息の発作はわかりにくく、症状を見落としてしまいがちです。酷くならないうちに受診出来るように、症状をわかりやすくお伝えします。
小児喘息の症状
小児喘息は、気道が何らかの原因によって当然収縮することで起こります。これを気道閉塞といいます。症状は喉がヒューヒューしたり、息苦しそうにゼーゼーとなります。喘息は慢性的な喉の炎症のことを言いますが、子供でも大人でも発作は同じように起こります。
小児喘息は、3~5歳までの発症率が一番高く、苦しいということを大人に伝えられる年齢ならいいのですが、まだきちんと話せない1~2歳児でも起こることがあり、その場合は注意深く観察することが求められます。
原因
小児喘息は遺伝によるものや妊娠中の喫煙などによるものと言われています。一度発作が起きると長いお付き合いになる小児喘息です。成長と共に思春期ごろになると治癒する場合がほとんどです。そうはいっても放っておいても大丈夫ということではなく、適切に長期治療することが必要になってきます。
発作の原因
小児喘息の発作は多くの場合、ダニやハウスダストのアレルギーによっておきます。ダニやハウスダストアレルギーの場合、その原因物質を取り除くことが必要です。
ダニであれは、防ダニ加工されている寝具を使うこと、ハウスダストの場合はカーペットを敷かないようにするのも効果的でしょう。その他にもカビやペットの毛などのアレルギーのが原因で発作を起こします。
またアレルギーでないものでも、不安定な天気や極度のストレス、タバコの煙(受動喫煙)、花火の煙などがきっかけになることもあります。子供がどのような誘因で発作が起きるのかをしっかり知っておくことが大切です。誘因物質を避けることで、発作も避けることができます。
治療法と薬
治療は、長期管理で行われます。急な発作が起きた場合は気道の筋肉の収縮を抑える、β2刺激薬が使われますが、ほとんどの場合吸入ステロイドを使用し、合わせて抗アレルギー剤なども服用しながら、コントロールしていきます。
ステロイドの使用に対してはよいイメージがないかもしれませんが、炎症を抑える力が強く、吸入時に喉の必要なところにだけ使われるので、安全性も重視されているといえるでしょう。
吸入ステロイドは、専用のスペーサーで吸入した後に必ずうがいをする必要があります。うがいをしないと、カンジタ症やしゃがれた声になるなどの副作用が起こることがあります。
吸入器について
液体の吸入薬を使用する場合にネブライザーを使います。ネブライザーの主な種類は、ジェット式、超音波式、メッシュ式の3つです。いずれも薬剤を霧状にして吸入することが出来るものです。確実に乳幼児でも吸入できるという利点があります。
また粉状の薬剤を吸い込む吸入ステロイドですが、子供の場合は吸入ステロイドと口の間に空間を設けて吸い込みやすくしています。その空間の役割が、スペーサーやチャンバーとよばれるものです。
スペーサーやチャンバーにも大きさ、形の種類が色々あるので、医師と相談してどれが子供にあっているのかで判断しましょう。
発作の対処法
発作が起きてしまったときの対処法としては、既に喘息と診断されて薬を持っている場合は使用し、どうしても収まらなければ受診をお勧めします。初めての発作は見落としやすいので、いつもの風邪の症状と少し違うと思ったら、子供の症状や時間をメモしておきましょう。
受診の目安としては、ヒューヒューやゼーゼーとした音が聞こえること、息苦しさがみられることです。また唇が紫色になるなどのチアノーゼになっている場合は、一刻も早い受診が必要です。発作は、夜間から朝方にかけて起こることが多いので注意しましょう。
水泳はできるの?
喘息だからといって周囲の子供と同じように運動をさせられないのは本当に心苦しいです。医師に相談をすると、水泳を進められることが多いかもしれません。水泳の呼吸法により肺機能が上がると言われているからです。また気管の発達も促してくれる効果があるそうです。
水泳は、ゆっくりな全身運動で急激な運動ではありません。サッカーなどの急激な運動は、運動性の喘息発作の引き金になることもありますので、子供に運動をさせたいと思ったときは、必ず医師に確認、相談をしましょう。
いかがでしたか。小児喘息の70%以上は、大人になるまでに治癒できると言われていますが、小児喘息患者のうちの30%は、そのまま成人喘息に移行するというデータもあり、根気強く長期の治療が必要となってきます。
喘息治癒のゴールは、普通の生活が出来ることです。そして小児喘息の治療には家族の協力が欠かせません。一番近くにいて子供を助けられる立場として、知っておくと良いです。