大人や妊婦がアデノウイルスの感染を防ぐには?予防法と対処法
アデノウイルスとは夏風邪などの症状を引き起こす原因ウイルスで、感染すると咽頭結膜熱(プール熱)やウイルス性結膜炎、流行性結膜炎(はやり目)などを起こす可能性があります。幼児から小学生に流行する病気ではありますが、抵抗力の落ちた大人や妊婦もかかることがあります。
では大人が感染した場合の症状や治療法、また妊婦が感染した場合に影響はないのか気になるポイントを解説していきましょう。
この記事の見出し
大人や妊婦がアデノウイルスに感染した場合の症状とは?
抵抗力の強い健康な大人なら、アデノウイルスに感染しても症状が殆ど見られず、気付かないこともあるようです。
しかし子供が感染して看病による疲れ、不規則な生活で抵抗力が落ちた状態だと大人でも感染し、子供と同じような症状が見られます。また通常の体とは違う免疫力が低い妊婦も、アデノウイルス感染による症状が出やすいでしょう。主な症状を以下に挙げていきます。
- 38℃~40℃の高熱が4、5日続く
- 喉の痛みや腫れ、咳を伴う扁桃炎
- 目の充血や目やにを伴う流行性結膜炎(はやり目)
- 胃腸炎からくる下痢
これらの症状は5日程度の潜伏期間を経て見られますが、幼児に比べると比較的軽く済むことが多いでしょう。
大人や妊婦がアデノウイルスに感染した場合の治療法とは?
疑われる症状が見られたら、早めに受診してアデノウイルスの検査を受けることが大切です。
高熱や喉の痛みが酷ければ内科へ、目の症状が酷ければ眼科へ行くのがいいでしょう。妊婦の方は受診の際に妊娠中であることを伝えるとスムーズです。
またアデノウイルスの感染症に直接効く薬はありません。大人が感染した場合も子供の時と同様に症状を緩和する対症療法が中心となります。
高熱には解熱剤、喉の痛みには鎮痛剤やうがい薬、目の症状には点眼薬が処方されるでしょう。
ただし妊婦となれば、薬を飲むことは難しくなります。かかりつけの産婦人科で相談した上で、こまめな水分補給と安静を心がけるしかありません。やはり症状があるのに薬が飲めないのは辛いことですから、妊娠中に周囲に感染者がいる場合は予防を徹底した方がいいですね。
そして気になるのが、アデノウイルス感染による胎児への影響でしょうか。妊娠中に風疹にかかると障害が残るという報道があったので、アデノウイルスでも…と不安に感じることでしょう。
幸いなことにアデノウイルス感染による直接的な胎児への影響はないようです。そうは言っても妊娠中に高熱が出ることは好ましくはないですから、注意する必要があります。
感染を予防するためには?
大人がアデノウイルスに感染する経路の殆どが子供からの2次感染によるものです。
流行性結膜炎やウイルス性結膜炎はとても感染力が強いので、看病していると移りやすいのです。看病疲れで通常より免疫力が落ちていることが言えます。妊婦で子供を看病しているなら尚更のこと。感染を予防するためには以下のことに注意しましょう。
マスクの着用と手洗いを心がける
咳による飛沫感染や感染した子供が触ったものにはウイルスが付いている可能性があるので、マスク着用としっかりと手洗いをし手指を消毒するようにしましょう。
タオルや食器の共用はしない
同じタオルや食器を使っただけで感染する可能性があります。特にタオルは涙や目やにでも感染力があるので注意が必要です。洗濯物は別で洗い、食器の消毒もできればベストです。
オムツの処理に気を付ける
子供の症状がなくなっても、1ヶ月間はウイルスが便から排出されるようです。感染した子供がオムツをしている場合には、交換時に注意し手洗いを徹底するようにします。
会社への出勤は可能?
アデノウイルスの感染症は子供に感染すると出席停止になる指定感染症。しかしこれは子供に関することで、大人には出勤停止しなければならない法律はありません。
仕事をしているとどうしても休めない事情もありますから、会社に説明した上でマスクを常時着用し人との接触を避けるようにしましょう。