赤ちゃんや乳児がRSウイルス感染症に!症状を改善する治療法
冬から春にかけて、インフルエンザと同時期に流行するRSウィルス感染症。風邪に似ていて、子供も大人もかかる感染力の高いやっかいなウィルスですが、重症化する割合も高く早めの対処がとても大切になります。赤ちゃんや乳児、幼児から大人までそれぞれの症状や治療法を覚えておくと風邪との違いにいち早く気付けて受診も可能になるでしょう。
この記事の見出し
赤ちゃんや乳児が罹るRSウィルス感染症について
RSウィルス感染症は基本的には、鼻水・咳・発熱などの風邪の症状が現れ、発症から1~2週間で自然に治る病気です。
治療法は、このウィルス自体を退治する特効薬はないので、鼻水や咳をターゲットにした対処療法となります。大人も子供も罹りますが、赤ちゃんや乳児の生後1年以内、特に生後半年以内の子供は重症化しやすいので注意が必要です。
循環器系の疾患を持っていたり早産の赤ちゃんやダウン症の子供が悪化しやすいと言われています。
乳児は鼻水から始まる事が多く、熱は3日程で下がっても咳だけ続くなどの症状があったら気を付けましょう。悪化すると肺炎になったり細気管支炎など呼吸器に重篤な症状が現れます。
症状や治療法、検査や費用について
症状
症状は風邪と似ていて、鼻水や発熱(38~39℃)、咳などです。悪化すると肺炎や気管支炎になる事から呼吸器系に影響が大きく出るので、特徴としては咳が続く事です。
治療法
風邪のウィルスと同じでRSウィルスにも抗生物質は効きません。ですから対処療法で過ごし、自然と治るのを待つようになります。
全体の70%が対処療法で治っています。
咳が酷ければ痰をきる薬や気管支拡張剤を処方してもらったり、鼻水が酷ければ吸引してもったりします。
30%程が肺炎や細気管支炎になり抗生物質が処方されており、更に3%が重症化して入院となっています。
咳や呼吸が苦しくて飲食もままならなかった場合は脱水症状が心配なので、病院で点滴などの対処をしてもらったり水分補給をしっかりして睡眠をとって安静にしている事が大切です。
検査と費用
RSウィルスの簡易検査キットはインフルエンザのように、鼻の粘膜を採取したり鼻水をとったものでもわかるようになりました。30分程で結果は出ます。
もちろん医師が必要と判断した場合はレントゲンや血液検査もあります。レントゲンなどは保険が適用されますが、この検査キットには保険が適用されません。
ただし条件として重症化の心配の大きい1歳未満の赤ちゃんや幼児には保険が適用されます。それ以外の人は病院により異なりますが、おおよそ検査キット代として3100円程、病院によっては検査の基本料金として3100円程かかる場合もあるので、合計6200円前後だと考えればまちがいありません。
大人への感染・予防接種などの予防法
感染と潜伏
RSウィルスは風邪と似ている事から感染経路も飛沫感染や接触感染と似ています。クシャミや咳はもちろん、患者の触れた物にウィルスが付着していれば感染してしまいます。非常に強い感染力だと言われています。潜伏期間は2~8日、個人差が影響します。
大人への影響
大人も感染しますが、子供に比べて抵抗力があるので悪化する事は少ないです。普段の風邪より咳がしつこいと後から、RSウィルスだったんだ、という事もあります。ただ、子供が感染してその看病をしばらくしていたりすると、たくさんのウィルスを長時間浴び続けた事により重症化する事もまれにあります。妊娠中や疲れている時も抵抗力が落ちているので注意が必要です。
予防法や予防接種
予防法は何と言っても手洗いウガイでウィルスを持ち込まない事です。RSウィルスの流行期には人混みを避けたりこまめな換気と掃除、室温26~28℃、湿度40%くらいが理想です。
予防接種は「シナジス」というものがありますが、保険適用に条件があります。それは早産だった赤ちゃん、免疫不全の赤ちゃん、ダウン症や肺疾患、心疾患の乳児などで、保険適用外は全額負担となります。一番少ない量のワクチンで8万円。
これを毎月となるとかなり厳しくなるので一般的にはあまり受けられていないのが事実です。自治体により助成金が出る場合もあるので、その対象である方はぜひ受けましょう。
保育園への登園許可、お風呂や入院
保育園への登園許可
欠席や登園について明確な規定はありません。医師の判断が基準となる場合が多いようです。咳や痰、呼吸困難などがなくなり、体の全体の様子が回復していれば登園の許可は下りるでしょう。
しかし完治から1~3週間はまだウィルスは排出され感染力があります。周りにうつす可能性は充分ありますので、なるべくしばらくの期間は人混みでの接種は控えた方がよさそうです。
お風呂と入院
入院中は基本的にお風呂は入りません。しかし自宅で療養中ならば風邪と同じ考えで入浴も大丈夫です。
熱でグッタリしている、苦しそうなどの症状がなければいいですが、湯冷めしないように、また入浴は体力を使うので手短に行いましょう。無理して入浴しなくても濡れたタオルで拭くだけでも充分さっぱりします。
入院は、肺炎や気管支炎などそれぞれの症状によりますが、5~6日程度から1ヶ月という場合もあります。退院後も気管支を守るために2週間程は人混みを避けて下さい。