発熱や口内の発疹!子供の手足口病の症状から合併症の危険も
夏に流行る3大感染症と言われる手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱いわゆるプール熱。飛沫感染やタオルなど物を介しての感染もありますが、直接肌が触れ合う接触感染など子供達がプールなどに入るこの時期に大流行する事が多いです。
今回は手足口病で、夏風邪の中にこの感染症が隠れていたりとまれに重症化する事もあるのでいざという時に見逃さない為にも、症状を注意して観察する必要があります。
子供の手足口病の症状はどのようなものか
初期症状としては発熱と口内・喉の痛みや違和感です。口の中に白いポツポツが出始め、普通の口内炎とも違いこれが外見的にわかる最初の症状だと言えます。
それから1~2日で手や足に2~3mm程度の水疱や湿疹が出てきます。初期症状から3~4日で湿疹のピークを迎えます。
この時にかゆみを伴う場合があるので、かき壊さないよう注意が必要です。
5~6日を越えるとピークも過ぎ、水疱も乾いてきて湿疹も茶色く落ち着いてきて、7~10日でほとんどが消えていきます。
手足口病の原因となるウィルスは10種類以上あると言われています。
手や足に出る湿疹が、ウィルスによってはお尻から太腿にかけて出る場合もあります。また、このウィルスは胃腸風邪のウィルスでもある為にお腹を下す事もあります。
基本的には手足口病のウィルスに効く薬はないので自然治癒を待つようになります。
しかし、発熱や痛み・かゆみを伴う場合はそれ自体を和らげる対処が病院なり自宅なりで可能なので、ぜひお子さんには手足口病の期間もなるべくストレスのない生活を送らせてあげましょう。
手足口病の症状を更に詳しく見る
発熱の様子
まず初期症状としての発熱ですが、37℃~38℃で高熱になる事はほとんどありません。
発熱自体も全体の3分の1ほどなので発熱が見られない事もあり、38℃以上はその中でも30%なので半数以上は発熱してもごく軽いか全く出ないかになります。出ても1~3日で下がるのが通例となります。
口内の湿疹の様子
発熱と並んで初期症状にあげられる口内の湿疹。発熱からは1~2日で白いポツポツとした湿疹が口の中や喉に見え始めます。
出始めは軽い痛みや違和感程度ですが、ピークを迎えた水疱性の湿疹が潰れて口内炎になり本格的に痛み出します。発熱や口内の湿疹の出始めから3日目くらいでピークを迎え、水疱が潰れて痛みを訴え出す事が多いです。
それから約1週間程度口内炎としての痛みが続きます。これも個人差が大きく、口の中がほとんど水疱という重症な事例もありますし逆にほとんど口内炎が出ないお子さんもいます。
口内の痛みは飲食にも影響を与えますので、食べる・飲み込む事が痛みによって行えなくなると脱水症状の恐れが出てきます。
口内炎に対する処置と同じ方法で痛みを少しでも楽にする事ができます。脱水症状を回避するために病院で点滴の処置を受ける事も可能です。
体の湿疹の様子
名前の通り手や足に湿疹が出るように思われますが、10種類以上もあるウィルスにより症状が変わってくるので近年ではお尻や太腿にかけても湿疹が出るウィルスもあります。
手のひら、足底、膝の裏、足の付け根(臀部)、お尻、口の周りなどに湿疹が見られてきます。
感染から2~3日で口から始まり手足に2~3mmの水疱性の湿疹が広がってきます。子供の手足口病はほとんどかゆみは見られないと言われていますが、まれにかゆみが現れる事もあります。
3~4日で湿疹が最も多くなるピークを迎えます。
この頃、かゆみで水疱や湿疹をかき壊してしまうと水疱に含まれるウィルスが周りの人に感染してしまったり、自身もとびひになり悪化してしまったりする場合がありますのでなるべくかかない、かかせない対策が必要になってきます。
病院でのかゆみ止めの処方や自宅で冷やすなどの処置をしてあげると良いでしょう。かき壊したりせずに済んだ場合は5日目くらいから水疱は乾き始め湿疹も茶色くなってきて数も段々と減ってきます。
7~10日で痕は残らずにほとんどが消えていきます。
発熱もなく体のかゆみも口内の痛みもなければ一週間~10日ほどで自然治癒を目指せますが、かゆみや痛みがあった場合は悪化させない為にも早目の処置をしてあげると良いです。
まれに起こる合併症について
手足口病では高熱はほとんどありませんが、高熱が2日間続いたり、湿疹や口内炎だけにしてはぐったりして元気がない時や、嘔吐や頭痛を訴える時などはウィルスが原因です。
そのため、髄膜炎や脳炎を起こしている可能性もありますので、早急な受診が必要になります。
手足口病の原因となるウィルスの1つ、エンテロウイルスは髄膜炎を引き起こすウィルスでもあります。この様に湿疹や微熱という手足口病の症状以外の症状が見られた場合は速やかに病院で受診をしてください。