ピルを飲み続けたり、止めた時の妊娠の確率が上がる可能性
ピルといえば一般的に避妊薬として知られていますが、日本ではまだまだ浸透していません。1日も飲み忘れなければ、ほぼ100%に近い避妊率と言われているピル。しかしピルを服用して妊娠確率が上がる可能性があるのです。また疾病予防の効果もあるので、ピルについて気になることを探っていきましょう。
ピルってどんな薬?
そもそもピルがどんな薬か詳しく説明できる人は少ないでしょう。なぜピルを飲むことで、避妊ができるのでしょうか。ピルの主成分は女性ホルモンである「エストロゲン」と同じくプロゲステロンの作用をもつ「プロゲステノーゲン」と呼ばれる妊娠と関連のある2種類の女性ホルモンが含まれています。
エストロゲンは子宮内膜を厚くし、妊娠準備のための体にしていく働きがあり、またプロゲステロンは受精卵が子宮内膜に着床しやすい環境に整える働きをしてくれます。つまり、ピル服用で避妊効果があるのは、これら2つの女性ホルモンが脳に「妊娠した」と勘違いを起こさせ、排卵をさせないようにするからなのです。よって99,9%の確率で高い避妊効果が得られるのです。
ピルを飲んでいても妊娠する確率は?
ピルはただ服用するだけなので、本当に避妊できるの?と不安を感じる人もいるでしょう。では実際妊娠する確率はどれくらいなのでしょうか?毎日ピルを飲み忘れなく服用したといして妊娠する確率は0,3%であると言われています。結局100%じゃないんだと感じてしまいますが、一般的な避妊方法として使われるコンドームでも2~15%の確率で妊娠するので、いかにピルの避妊率が高いかが分かります。
ピルを止めた後の妊娠確率は?
男女ともに若い年齢で何も問題もなく排卵日付近で仲良ししたとして、妊娠する確率は20~25%。妊娠すること自体が簡単ではないと言えます。上記で説明したように、ピルを飲んでいる期間は排卵を起こさないようにするので、妊娠確率が0,3%と低いわけです。
しばらく排卵を止めていたら、ピルを止めたところで排卵しづらい体になってしまうのでは?という不安を感じる人もいるでしょう。この疑問に関しては、まったく問題ないと言えます。ピルを止めたら早い人では1ヶ月以内に排卵し、妊娠するということもありえます。通常は次の周期から排卵ということが多いようです。つまり長い期間ピルを服用していたとしても、止めたら元の妊娠確率に戻るというわけです。
ピルを服用していた人は妊娠しやすくなるってほんと?
妊娠を考えると35歳以上になれば高齢と言われます。自然妊娠確率は若い年齢と同じ条件でも、10~15%とかなり低くなります。40歳以上にもなれば1~5%と急激に落ちてしまいます。それは年齢による卵子の老化やホルモンバランスの崩れによるもの。卵子の老化は止めようがないのですが、ピルによって卵巣を休ませることができます。
そこでピルのお話に戻りましょう。ピルを服用している時は排卵を抑えているので、卵巣を休ませている状態と言えます。つまりピルを止めたときに、十分休息した卵巣は比較的いい状態の卵子を排卵できるというわけです。ですからピルを服用することで、不妊の年齢による原因を緩和する効果が期待できるのです。
またピルは子宮内膜の増殖を抑える働きもあるので、不妊の原因ともなる子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸ガンの予防にもなり、妊娠への妨げを減らすことができるでしょう。ただし20代からピルを服用することで得られる効果なので、しばらく避妊をしたいけど将来的には妊娠を希望している人に適した避妊方法であると言えます。また人によっては副作用が見られることもあるので、定期的な通院が必要です。
上記で説明したように上手に付き合うことができれば、ピルはとてもいい薬かもしれません。
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