医者でも間違える病気!水疱瘡と手足口病の決定的な1つの違い
水疱瘡と手足口病は皮膚に水疱や発疹ができて、熱も38℃以下の発熱など似ているポイントが多く、医師も見間違えるほどです。しかし水疱瘡と手足口病の原因ウィルスはまったく別物。よって治療法も違います。ここではそれぞれの症状や特徴を挙げて、違いを探ってみましょう。
この記事の見出し
水疱瘡はどんな病気?
①原因ウィルス
水痘・帯状疱疹ウィルスが原因で引き起こされる病気です。
②症状
赤い発疹や水疱が顔や頭、胸やお腹、背中や腕や足など全身に広がって痒みを伴います。38℃以下の発熱と倦怠感があります。
③感染力のある期間
発疹や水疱が5日間~1週間程度でかさぶたができ始め、全てかさぶたになるのは3週間かかります。学校保健安全法により出席停止の措置を取らなければならない病気で、全ての発疹がかさぶたになるまで周囲に感染力がある病気です。
④発症年齢や発症時期
発症年齢は2歳から8歳頃の小児でかかることが多いようです。発症時期は12月~7月に多く、8月~11月に少なくなります。
⑤感染経路
咳やくしゃみに含むウィルスを吸い込むことで感染する飛沫感染や空気感染、原因ウィルスと接触し、それが口や鼻、目、粘膜から浸入することで感染する接触感染で感染します。
⑥治療法
抗ウィルス薬で症状を和らげて早く治す治療が行われます。この薬は発疹が出始めてから2、3日以内に服用すれば、より効果的です。また抗ヒスタミン剤で痒みを抑えて、炎症しずめて患部を乾燥させるように塗り薬が処方されることもあります。場合によっては2次感染予防のため、抗生剤を使用することも。
⑦再発の可能性
小児で1度発症し完治しても、神経の中で潜伏して免疫力が下がった時にウィルスが活発化し「帯状疱疹」として再発することがあります。50代以上に多く、重症化する可能性が高くなります。
手足口病はどんな病気?
①原因ウィルス
エンテロウィルス属のコクサッキーウィルスA群の3種類のウィルスが原因ウィルスです。
②症状
口の中や手のひら、足の裏などに赤い発疹ができて、38℃以下の発熱が起こることがあります。子供の場合、症状は比較的軽く済みます。
③感染力のある期間
発疹の出ている2、3日は一番感染力が強く、感染力は弱くなりますが潜伏期間の5日、便に排出する1ヶ月間は感染する可能性があります。
④発症年齢や発症時期
発症年齢は殆どが5歳以下の幼児で、1歳代に一番多くなります。原因ウィルスは暑い季節を好み、5月頃から出始め6月7月に発症のピークを迎えます。やがて9月頃には殆ど見られなくなります。
⑤感染経路
咳やくしゃみなどから感染する飛沫感染、原因ウィルスを直接触ることで感染する接触感染、便の中に含まれる原因ウィルスが口の中に入ってしまうことで感染する糞口感染で感染します。
⑥治療法
手足口病を治す特効薬はないので、場合によっては対症療法で様子を見ながら発疹がなくなるのを待ちます。
⑦再発の可能性
手足口病であっても原因ウィルスが異なれば、ワンシーズンに何度も感染することもありえます。
水疱瘡と手足口病の違いと、どちらか分からない時の対処法
水疱瘡と手足口病の症状は体にできる発疹と38℃以下の発熱で似ています。決定的な違いと言えば水疱瘡の発疹は頭にもできることですが、手足口病でも同時に汗疹が頭皮にもできてしまうと、もはや医師にも区別がつかないことがあります。水疱瘡であれば出席停止にもなる病気なので、区別がつかない場合は水疱瘡と見なして治療を行います。
そもそも2つの原因ウィルスが違うので治療法も違うのですが、水疱瘡の抗ウィルス薬は手足口病であったとしても副作用はありません。水疱瘡の薬物療法は発疹が出てから2、3日以内がベストですし、数日経てばどちらかはっきりするわけですから何ら問題はないでしょう。
その他、手足口病ついて症状や対処法を以下に詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。